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コラム

縄文遺跡への考え方から学ぶ

2023年6月26日 公開 / 2023年7月1日更新

テーマ:家族と70歳過ぎの自分を守る家族信託契約

コラムカテゴリ:くらし

山形村の農地転用認可修正申請に関する仕事で、
山形村役場でアドバイスを受けたあと、次の2つ
の縄文土器を見学した。
 1)ミラフ-ド館(山形村役場のすぐそば)
   に展示されている「山形村出土の縄文土
   器類」
   かなり大型の土器類や、完全な形で出土
   した土器が展示されており、近い場所に
   こんな遺跡が点在していたことを初めて
   知った。
 2)殿村遺跡群の中での縄文遺跡発掘現場(山
   形村役場の北西400mくらいにあり現
   在発掘中)




<画像を拡大すると、土器に縄の文様が見える>

殿村遺跡発掘場所へ行くと、運よく発掘調査員
が見え、覆いのシートを外して状況を見させて
いただくことができました。
発掘調査員の説明を聞いたり、縄の文様がつい
た土器や炉跡の発掘途上を見ることができ、感
動すると同時に、現在の世界・人間の在り方を
考えさせられる機会になりました。

縄文土器・遺跡から学んだこと

 1)縄文時代は10000年~12000年もの長い時代
   であったが、遺跡からは
    「戦いの武器は1つも発掘されてこない。」

   縄文時代の人口は少なかったであろうが、
   食糧の奪い合いなどが無く、食糧は案外豊
   かで、人々は食糧を分かち合い
   「生活を楽しんでいた」
   と推測できるそうだ。

   その証拠として、
   「芸術的・文化的に高いレベルの 縄文土器
   が製作(手づくり)された」

   とのこと。

   現在のロシア・ウクライナの戦争、食糧や
   エネルギ-の世界的不足・インフレ現況
   (奪い合い)を考えると、現代人はなんと
   縄文人に劣る人間になってしまっていると
   思わざるを得ない。

 2)今回発掘している住居跡は、縄文時代の中で
   は比較的早い時期に住居として使用され、そ
   の後廃屋となったと推測されるそうだ。
   そして、廃屋がつぶれて低くなった(土を掘
   り、そこに柱や屋根材を立てかけたのが縄文
   住居)場所に破損した土器類を捨てたのでは
   ないかと推測しているようです。

   その推測の根拠は、
   (1)出土した土器の高さ位置は、炉の高さ
      より30cm以上高く。
      土器の下には30cmくらいの黒い土が積も
      っている。(写真 参照)
      この黒い土は廃屋の材料とその後の廃棄
      物や火山灰の堆積と推測。
   (2)見つかっている土器はいずれも部分破片状
      態であり、破片を集めれば完全な形にな
      る土器(壺全体が形成されるというよう
      な形)
      は見つかっていない。

3) 住居跡の中には、150kgを優に超す大きな石がい
  くつか見つかっており、
   (1)いずれも丸みがついた石である点から、
      川にあった石を運んできて据えている。
   (2)どのようにして、この重い石を川(現在
      実際にある川は、発掘現場から約150m
     南の位置)から運んできたのか?
   (3)縄文人は生活に必須の水がある場所近く
      に住居を建て住み着いている。

 4) 「殿村遺跡」という名前がついた遺跡は、長野県
   内にはいくつもあり、山形村に近い遺跡では、
   松 本市四賀、諏訪郡下諏訪町にもある。
  「殿」という文字・地名がついていることは、こ
   の地にいずれも有力者がいた証拠だそうだ。


今回、山形村の縄文遺跡に興味を抱いた背景

1.私の友人である「関谷昌也さん(松本市」が、山形
  村の縄文遺跡群・三夜塚遺跡の写真文集をクラウド
  ファンディングを活用して発行すると、知らせてき
  た。
写真文集「失われゆく縄文・三夜塚遺跡物語」今秋自費出版



2.さっそく私もクラウドファンディングに参加したと
  ころ、関谷さんは山形村で発掘中の殿村遺跡の写真
  付きメールを送ってきた。
3.そこで、仕事で山形村役場へ行った帰りに、2つの
  縄文土器展示を見たというのが経緯。
4. 写真文集を発行する関谷さんにエールを送り、この
  コラムを読んでくださる皆さんにも応援をお願いし
  たい。       

この記事を書いたプロ

堤守

介護と相続に有効な老後の家族信託契約助言のプロ

堤守(有限会社ツツミ宅建事務所)

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