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ロボット支援単顆型人工膝関節置換術(UKA)を導入から2年たったお話

小島岳史

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今年はコラム頑張るぞと言っていたのに、あれから10ヶ月経ってしまいました。年取ると時が経つのが早くなりますな〜。来年こそはしっかりやっていきます!!


ロボット支援UKA術中


ロボットと術者はだんだん仲良くなるのか?

ロボット支援UKAは以前のコラムで紹介いたしました。https://mbp-japan.com/miyazaki/tachibana/column/5130111/
傷んでしまった内側の半分だけロボット支援で人工関節に交換しようとする手術です。当院では2022年11月からUKA専用の手術支援ロボットを導入し現在までに2年間で50症例ほど経験いたしました。今回は同じ術者の導入1例目から連続した24例を対象として、ロボットと術者はだんだん相性がよくなるのか?を手術時間にあてはめて調査してみました。対象患者様の平均年齢は69.7歳で男性8例、女性16例でした。

結果は?

手術時間は13例目から徐々に短縮し、24例目までも連続して有意に短縮しておりました。特にロボット操作に関わる手技時間に短縮を認め、ロボットと術者は手術を経験すればするほど仲良くなって、手術時間も短くなると結論できます。また手術中の骨折等の合併症はありませんでした。個人的な感想ですが、やはりロボットとはいえ「クセ」が存在するので、そのクセを見極めるのに13例必要であったかと思いました。

手術時間の短縮傾向

正確性だけではないロボット支援UKAのメリット

みなさんは医者の手術の習熟曲線(ラーニングカーブ)という言葉をご存知でしょうか?外科医になれば必ず人生初めての執刀というものがあります。もちろんベテランの外科医がやったほうが正確で短時間でできます。しかしそれでは外科医の後任が育っていかないので、「ラーニングカーブ」という、医者の修行期間というものが存在します。もちろんその修行期間には上級医が手取り足取り教えて、安全に手術が行えるようにしていますが、やはりどこかで正確でなかったり、時間が余計にかかったりしてしまいます。しかしロボット支援手術は医者の修行期間中でも正確な手術ができるというメリットのほかにも、後輩の指導も安全に行えるというメリットがあることに気がつきました。これは導入当初に予想していなかったことでした。ロボットを早くから導入し、圧倒的な数をこなすことによって見えてくる別の世界があるということを感じました。
ロボット支援UKAは日本ではまだ歴史の浅い手術方法にはなりますが、海外では10年以上の実績が積み重なっています。ご興味のある患者様は遠慮なく主治医にご相談ください。

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小島岳史
専門家

小島岳史(整形外科専門医)

医療法人社団橘会 橘病院

3D設計図と、それに連携して動く自動ブレーキ機能付きロボットアームからなる人工関節手術支援ロボット「Mako(メイコー)」を駆使することで、人工股関節置換術の精度と安全性を高め、患者を笑顔へと導く。

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