薄青色(うすあおいろ)
群青色(ぐんじょういろ)
おはようモーニング!
今日の日本の伝統色は群青色(ぐんじょういろ)です。
群青色(ぐんじょういろ)とは、日本画材の岩絵具(いわえのぐ)の『群青』に由来する色名で、紫みがかった深い青色のことです。
日本画には欠かせない色であり、桃山時代の障壁画、江戸時代の琳派(りんぱ)の屏風絵(びょうぶえ)などに使われています。
岩絵具の「群青」は、もとは鉱物の瑠璃(ラピスラズリ)から作られたものでしたが、瑠璃は宝石としても非常に高価なため、藍銅鉱(らんどうこう)(アズライト)を原料とするようになっていきます。
ただ、どちらにしても高価な鉱物を砕いて作られているため、群青の色は人工の岩絵具が登場するまで、宝石に匹敵するほど貴重な『青』でした。
天然の岩絵具は、同じ原料でも鉱物の粒子が細かくなるほど色は淡(あわ)くなり、粒が荒いほうから『紺青』、『群青』、そして最も粒が細かい色を『白群』と呼びます。
ちなみに、砕いた鉱物、青の粒の集まりということから「青が群れ集まる」という意味の『群青』という色名になったようです。
『群青』がいつ頃から使われるようになったか定かではありませんが、江戸中期の画法書「画筌(がせん)」に「紺青…これを摺すって群青を出す」との説明が見られることから、江戸期には一般化していたようです。ただ、染色名には用いられていません。
また、この記述から『群青』が『紺青』の淡色(たんしょく)であったことが分かります。
また、古代では『紺青』より淡い青は、すべて『白青(しろあお)』と呼ばれていました。
岩絵の具の「群青」は、原料である藍銅鉱が孔雀石と混じって採れることが多いため、精製が難しく、孔雀石からとれる岩絵具の「緑青(りょくしょう)」の10倍の値段で取引され、群青60gで米一俵買えるほどでした。
こんにちでも人工岩絵具の群青の色相は、「紫み」「深青」「緑み」の三系統があり、色味に幅があります。これは、藍銅鉱を砕いて作られた「岩群青」、瑠璃を砕いて作られた古い「群青」、そして緑系の孔雀石が混じった藍銅鉱から作られた「岩群青」に由来しているためでしょう。
なお、今回は天然群青の標準的な色調を使用しています。
高価で貴重な青『群青』が使われるのは、日本画の中でも如来像や菩薩像の頭髪、曼荼羅の一部など、尊いものが主でした。
当時の絵師はきっと『群青』の青に強烈に憧れたことでしょう。だからこそ、『群青色』は現代にも消えずに残っているのかもしれません。
七十二候では、2月4日〜2月8日頃を「東風解凍 (はるかぜこおりをとく)」と言います。
七十二候が立春の初候に変わり、暖かい春風が川や湖の氷を解かし始める頃となりました。
ここでは「はるかぜ」と読んでいますが、東の風と書いて「こち」と読み、春先に吹く東寄りの柔らかな風のことをいいます。
東風は、春本番ののんびりと穏やかな風とは違い、まだ冷たさの残る早春の風。
東風が吹くようになると寒気が緩み、春を告げる風として喜ばれてきました。
東風は春の季語で、菅原道真の
「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花、主なしとて春を忘るな」
をはじめ、多くの和歌や俳句に詠まれています。
また、動植物などの名詞を伴って「梅東風」「桜東風」「雲雀東風」「鰆東風」「朝東風」など、時間や時期に応じた名で呼ぶことが多いようです。
はこの候が第一候となり、一年の始まりでもあります。
春の兆しとなる柔らかな風が吹き、冬間に張りつめた厚い氷を解かし始める、まさに春の訪れを表した候です。
まだまだ寒さはありますが、ようやく春の足音が聞こえてきました。
2月4日今日は何の日
それでは続きをどうぞ!