櫨色(はじいろ)
瑠璃色(るりいろ)
おはようモーニング!
本日の日本の伝統色は瑠璃色(るりいろ)です。
瑠璃色とは、濃い紫みの鮮やかな青色のことです。本来「瑠璃」とは仏教世界の中心にそびえ立つ須弥山(しゅみさん)で産出される宝石で、仏教の七宝の一つ。その宝石の色にちなんだ瑠璃色も至上の色として神聖視されました。実際、透明感のあるその色合いは、静かで幻想的な深海を思わせます。
瑠璃は一般的に濃い青色の形容に用いられており、『瑠璃色の地球』という曲はあまりにも有名でしょう。さらに『瑠璃紺』『瑠璃鉄』『瑠璃花色』など、瑠璃を冠する色名がいくつか存在します。
また、瑠璃は青色系のガラス質も指し、正倉院の宝物には鉛系ガラスの『白琉璃高杯(しろるりたかつき)』『白琉璃碗(しろるりわん)』『緑瑠璃十二曲長坏』『紺琉璃坏』などがみられます。
平安初期に書かれた『竹取物語』には「金、しろかね、るりいろの水、山より流れ出たる」の記述があるように、瑠璃は貴重な鉱物とされ、光沢のある鮮やかな濃青色であることから『碧瑠璃(へきるり)』とも呼ばれました。
瑠璃の洋名は「ラピスラズリ(lapislazuli)」といい、主にペルシャで産出され、中国を経て日本に伝わりました。また、ヨーロッパにはアフガニスタンから「海路」で運ばれたため、ラピスラズリを原料とする青色顔料は「ウルトラマリン」と呼ばれています。
ラピスラズリの原料となる鉱物を日本では「青金石(せいきんせき)」と呼び、英名ラズライト(lazurite)と表記しますが、リン酸塩鉱物の一種の「天藍石(てんらんせき)」も英名ラズライト(lazulite)と欧文のスペルは違うのですが、カタカナ表記では同じであるため、混同しやすく注意が必要です。
数ある伝統色の中でも、瑠璃色は『燕脂色(えんじいろ)』や『山吹色(やまぶきいろ)』などとならんで現在でもよく使われている色ではないでしょうか。
12月27日今日は何の日
それでは続きをどうぞ!