縹色(はなだいろ)
おはようモーニング!
今日の日本の伝統色は、杜若色です。
杜若色とは、紫色の美しい花を咲かせるカキツバタの花の色。
青みのある鮮やかな紫で、かつてはカキツバタの花に紙や布を擦り付け、紫をうつしとっていたといわれています。
布にこすりつけて染めたことから、掻付花(かきつけはな)に由来するといわれています。
江戸中期の旗本であり有職故実研究家の伊勢貞丈(いせさだたけ)の著書『安齋随筆』に「今江戸紫と云ふ色はカキツバタの花の色の如し是葡萄染なり、紫蘇の色に赤きに青色を帯びたり」とあるように、江戸時代には「「江戸紫」の名で親しまれていました。
水始涸(みずはじめてかるる)
今日から(10月3日)10月7日頃までを、七十二候の第四十八候「水始涸(みずはじめてかるる)」と言います。
二十四節季「秋分」の末候にあたります。
色づいた稲穂が頭を垂れ、水田に張られていた水を落とし刈り入れの準備にかかる頃をあらわしています。
米という字は八十八と書きます。昔から「米作りには八十八の手間がかかる」といわれています。農家の人たちが丹誠込めて作り上げた素晴らしい「作品」です。
そう言えば小さい頃、お茶碗や弁当箱に一粒でも米粒がついていたら、「お百姓さんが、どれだけ苦労して作られたものか分かってるのか」とよく叱られたものでした。
機械化や生産技術の向上により、昔に比べるとそれほど手間暇かけずに沢山の物が生産できるようになりました。
大量生産、大量消費の時代を迎え、その考え方の見直しも検討されて久しくなります。
寸分違わぬ規格化された均質・均一の物を大量に作る事は機械化の時代にあって必要不可欠なことです。しかし、こうした時代であっても個性豊かな唯一無二のものを作ることを否定する訳にはいきません。
いやむしろ、こういう時代だからこそ、その重要性が強調されるのだと思います。何事も愛情を込め、それこそ、手間暇をかけて作り上げる姿勢はいつの時代にも忘れてはならないことです。
「ものを粗末に扱わない」、「人に迷惑をかけない」、「世のため、人のためになる人間になれ」など親から言われてきたことが頭に残っています。
ふと、我が身を振り返ったとき、愛情を込めた「八十八の手間」と、我が子の心に残るような言動をしてきたか、反省すること多しです。
それでは続きをどうぞ!