鶯色(うぐいすいろ)
今日の日本の伝統色は一斤染色です。
一斤染色とは、染料の紅花一斤で絹一疋を染めた淡い紅色のことです。
平安時代は紅花が高価であったため、濃い紅染は『禁色』とされ、庶民には衣服への使用が禁止されていました。
身分の上下によって着てよい色、いけない色がありました。
そしてそれぞれの色について、この程度の色までは着用してもよいという聴色(ゆるしいろ)が定められていました。
一斤染の薄い紅染の場合は、『聴し色』(ゆるしいろ)として身分の低いものの着用が許されており、このことから一斤染の別名を『聴色』とも呼ばれます。
一斤染は、紅花の花一斤(いっきん=約600g)で絹一疋(いっぴき=二反)を染めた色で、淡いピンク色になります。
それでも、少しでも濃く染めようとする者が跡を絶たなかったといいます。
一斤染は平安時代からある色名です。