タバコのヤニが付着した内部の壁・天井は塗装できますか?
最近ちらほらと耳にするようになってきた「ラジカル塗料」、実は久しぶりに登場した新しい塗料です。2015年くらいから日本ペイント、エスケー化研、関西ペイント、スズカファイン等が販売を始めました。
「ラジカル」とは、酸素や紫外線、水などが顔料である酸化チタンに接触することで発生する劣化因子のことを言います。
酸化チタンは、紫外線が当たると吸収して表面に電子が生成する。酸化チタンは出来た電子を周りの酸素に与えて、水からは逆に電子を奪って「ラジカル」という反応性の高い物質に変化させる。
つまり、「ラジカル塗料」とは「ラジカル」の発生をハイレベルで抑制する事で長時間塗膜の劣化を防ぐ塗料のことです。
「ラジカル塗料」のベースとなる樹脂は、従来からある「アクリル樹脂」「シリコン樹脂」などです。(厳密に言うとラジカル塗料開発時に樹脂をグレードアップさせています。)
この従来型の塗料に、特殊な添加剤を加えることで「ラジカル塗料」になります。
その添加剤の一つが、「高耐候性酸化チタン」で「ラジカルプロテクト高密度シェル構造」と言う、顔料である酸化チタンをプロテクト(包み込む)することによって、樹脂劣化の原因物質である「ラジカル」の発生をハイレベルで抑制します。
もう一つの添加剤が「高性能光安定剤」です。この添加剤は発生した「ラジカル」を捕捉(つかまえて)して化学的に消失させます。
したがいまして「ラジカル塗料」は、この2つの添加剤の働きにより、劣化しにくい高耐候性の塗膜を形成することが出来る様になりました。
今回ご紹介するのは、 スズカファイン株式会社の「ウォールバリア水性Si」ラジカル制御型水性1液反応硬化形アクリルシリコン樹脂塗料です。
グレードで言うとシリコン樹脂塗料とフッ素樹脂塗料の中間に位置する塗料です。
この塗料の特徴は、先に説明したラジカル抑制機能に、塗膜汚れが発生しにくい様、低汚染性がプラスされています。これにより汚れにくい綺麗な外壁を保つことが出来ます。
低汚染のメカニズムは、塗膜のベタ付きを抑える「タックフリー効果」、電気的中和をすることによって得られる「帯電防止効果」、降雨のさいに塗膜表面に水膜を形成し汚れを浮き上がらせる「親水性効果」の3つです。
その他に、「透湿性能」を有する塗膜は、下地の水分を水蒸気として放散し建物の保護機能を更に高めます。
それから、環境に配慮した安全性に優れる独自のバイオ技術によりかびや藻の発生を長期間にわたり抑制する機能も併せ持っています。北面外壁、梅雨時期などもかび・藻・苔発生の心配も解消され清潔な外壁を保つことが出来ます。
そして、ツヤのバリエーションが豊富にあり、建物にマッチした美しい仕上りが得られます。
「ウォールバリア水性Si」フッ素樹脂のように高価な樹脂を使用せず、架橋形アクリルシリコン樹脂を使用していますので、フッ素樹脂塗料と同じ耐候形1種相当の性能を有するのに、施工単価が安い(従来のアクリルシリコン塗料同等)1,800円~2,500円/㎡で施行できる画期的塗料です。
最後に、この様に良いとこ尽くめの「ラジカル塗料」ですが、発売されてから4~5年程度しか経過しておらず、塗装業者でも知らない、もしくは知っていても使ったことが無いと言う業者が少なく無いと思われます。
現場で採用された年数が、メーカーの公表している耐候年数に達していないので、実際にメーカー公表性能が発揮できるかは本当のところ解らないというのがデメリットといえるでしょう。
しかし、現在販売されている「ラジカル塗料」は長年建築塗料を研究開発してきた一流の塗料メーカーが自信を持って販売しておりますので、間違いは無いと思います。
今後、従来のシリコン塗料に代わり「ラジカル塗料」の現場採用が増えてくる事が安易に想像できます。こらからが、本当の意味での真価が問われるでしょう。
最後に、いくら高性能の塗料でも「塗料は半製品」です。
扱う業者によっては、その塗料に関する知識を持ち合わせておらず、十分な性能を引き出すことが出来ない場合も考えられます。
施行のご依頼は、その「高性能塗料」の採用実績が多数ある塗装業者を選んでください。
有限会社ピーテックカンパニー http://www.ptech-comp.com
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それでは。動画でどうぞ。