「実家の片づけ」「親の生前整理」をうまく進める方法とは
テレビなどで、有名な俳優さんやタレントさんが終活をしているという話をよく聞くようになりました。そんなこともあって、終活は、タレントさんみたいに大邸宅で衣装なんかもたくさんある人のすることだと思っていませんか?
自分が亡くなったら持ち物は全部捨ててくれればいいから、などと軽く考えていると、遺された親族が苦労することになってしまいます。いくつかある終活でやるべきことの一つに生前整理があります。生前整理とはどういうものなのか、やり方はどうなのかなどをご紹介します。
生前整理とは断捨離とどう違うのか
人が生きていく中で、身の回りの物は年を重ねるごとに増えていきます。ましてや、家族もいて何十年も同じ家で暮らしていたとなれば、すでに必要のなくなった物も含めて大量にあることでしょう。
断捨離という言葉をよく耳にしますが、これは、不要なものを整理して物への執着を手放した生活を手に入れるというものです。「不要な物を捨てる」ことに関しては同じなのですが、生前整理は、遺される人のことを考えて身の回りの整理をすることです。
自分がいなくなることを前提としていますから、身の回りのものは生活に必要なもの以外はできるだけ処分して、大切な物、子や孫へ引き継ぎたい物は遺された人にもわかるように整理して収納します。
何十年も同じお家で生活してきた人は、数日くらいでは片付けられないくらいの物が増えているかと思います。すでに何がどこにあるのかわからず、どこから手をつけたらいいのかもわからない場合があります。
そろそろ生前整理をしようかと考えたときに、家族に相談して一緒に始めるといいかもしれません。
生前整理には効率的なやり方がある
生前整理をしようと思っても、何から始めたらいいのかわからないので、なかなか手をつけられないという方も多いかと思います。
生前整理は、家の中に何があるのかを確認する作業として、身の回りの物の片づけから始めましょう。
そして、片づけをしながら、使っていない物の中から捨てるものを寄り分けます。燃えるゴミ、燃えないゴミ、粗大ゴミに分別して、それぞれのゴミの日に合わせてまとめて出すようにすれば、段々に家の中が片づいている実感が出てきます。
問題は、捨てる決断のできない物です。他の人から見れば大切なものには見えなくても思い入れのある物はなかなか捨てられません。そうは言っても収納スペースは限られていますから、その中でも明らかに壊れて使えない物や使い道のない物はできる思い切って捨てましょう。
そのうえで、手元に置いておきたい物と、捨てられないけれど手放していい物に分けます。捨てることは難しくても、誰かに引き取ってもらえるなら手放してもいいと思ったら、友人知人に声をかけて譲ったり、リサイクル業者に売ったりしましょう。
転居が決まっているなどタイムリミットのある場合は、できるだけ思い入れをなくして事務的に捨てていく必要がありますが、そうではない場合は、手順を踏みつつ、自分の納得のいくまで吟味することが生前整理の特徴的なところでもあります。
生きているうちは手元に置いておきたい物は、遺された人が処分しやすいように分類して収納しておきましょう。
美術品など趣味のコレクションがある場合は、その価値がわかるような覚書などをつけておきましょう。本は図書館などに寄贈することもできるので、目録を用意しておくと後々の処理がしやすくなります。
生前整理をスムーズに進めるポイント
まず、生前整理はいつ始めたらいいかということが大きなポイントです。自分の残された人生について考え始める時期は人によってさまざまだと思いますが、それがいつだとしでも、思い立った時が始めるのに最適な時期と考えて、すぐに行動しましょう。
できれば、自分である程度のことができる、体力のあるうちに始めることが望ましいと思います。
思い立ったら、生前整理をスムーズに行うために段取りを決めましょう。手始めに、家の中にスペースを作るために、古くなった家具などの大物をリサイクルショップに引き取ってもらうか、粗大ゴミとして出しましょう。
大物から始めるとスッキリ感が味わえるので作業に弾みがつきます。そのあと、本や雑誌を処分する日、着物や洋服を処分する日、と目標を決めて進めていきます。
また、思い入れの薄い物から処分していけば、気持ちよく進めることができます。趣味の物、手紙類、写真や思い出の品物などは、久しぶりに目にすることもあって、懐かしくいろいろな思いも出てきますから、時間がかかることを想定しておきましょう。
捨てられない物は無理せず、整理して段ボール箱に詰めるなりして子や孫など親族に処分を託してもいいと思います。
生前整理をひとりで、もしくは、夫婦で始めて予想以上に大変だと感じたら、別居の家族や近しい親族などに手伝ってもらうといいでしょう。子の持ち物が物置などに残されている場合もあるので、残された人生をどう生きていきたいのかを家族で話し合えるいい機会にもなります。