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「実家の片づけ」「親の生前整理」をうまく進める方法とは

2020年2月16日 公開 / 2020年10月12日更新

テーマ:終活や生前整理のポイント

コラムカテゴリ:くらし

コラムキーワード: 部屋の片付け断捨離コツ遺品整理


実家に帰省する度に、家の中に物が増えていると気づくことはないでしょうか? ちょっと前まではきちんと片づいていたはずの家の中が、「雑然として掃除が行き届いていない場所もある」などということが、親が年齢を重ねると起きてくるのです。

親が亡くなると実家にある物を処分するのは子の役目になります。実家に帰ったとき、そのような視点で家の中を見渡してみてください。そして、遺品整理の大変さを想像し、できるだけ早いうちから実家の生前整理を始めましょう。

以前TV番組で「実家の片づけ」について実例と共にご紹介させて頂きました。

https://smilelife-miyagi.com/media/vol-9.html
ここ数年で、親の生前整理や実家の片づけ整理について悩んでいる方からご相談を頂く機会が増えて参りました。

親が高齢になってくると出てくる実家の片づけ問題


人にもよりますが、65歳を過ぎてくると心身ともに衰え始め、自分ではちゃんとできているつもりでも、掃除や片づけがおろそかになってしまいがちです。ゴミをまとめることはできてもゴミ出しの日を忘れてしまう、重くて持って行けないなどでゴミが出せなくなる場合もあるのです。

ゴミの分別も年齢とともに負担になります。ゴミの仕分け方が分からなかったり、びんや缶、ペットボトルなどの資源ゴミの出し方も結構手間がかかるので面倒になって家の中にため込んでしまったりします。



親の世代は、もったいないという思いがあり、物を簡単に捨てない世代でもあるので、包装紙や箱類を「いつか使うことがある」と思ってとっておいたり、壊れたものも「修理すればまだ使える」と捨てずにいたりします。この「いつか」「まだ」というのは、現実には「ない」のですが、それを否定してしまうと親の先の人生をも否定してしまうことになりかねないので、全て捨てるようにとは言えません。

また、子が家を離れて別々に暮らして数十年もたつのに、子の使っていた部屋をそのままにしていたり、倉庫代わりに子の持ち物を預かっていたりするケースもあります。親の思い入れがあってそのままにしているのであれば、無理に片づけなくてもいいのですが、そうでなければ、自分の物なので子の判断で、できるだけ早いうちに処分する方がいいでしょう。





親に認知症の兆候が出て、急に物が片づけられなくなるケースもあります。不要なもの、必要なものの判断がつかなくなって物がたまっていく状況になったら、一見正常に見えても、行動に注意して適切なサポートが必要です。

ある程度、子の方でリードして生前整理を進めなければいけません。

親の生前整理にとりかかるのにいいタイミングとは?

そろそろ片づけなければとは思いつつも、実家のことなのでつい後回しにしてしまいますが、年齢を重ねるにつれて物の増える度合いが増してきます。これはマズいなと思ったときが、生前整理にとりかかかるタイミングです。

できれば、親が不要なものの仕分けができるうちに、コミュニケーションをとりながら物の処分を始めた方がいいでしょう。認知症が進んでしまったり、体調を崩してしまってからでは生前整理の意味がなくなってしまいます。

実家の片づけをする際の不要な物を捨てる方法

不要なものを捨てると決めたら、まずは、実家に残っている自分の物から取りかかりましょう。親の意思を確認する必要のないところからドンドン片づければ、片づけ途中の親の物を置くスペースが生まれます。そこから、親の生前整理をどのように進めるかを決めていきましょう。

以降の片づける順番としては、あまり使っていない部屋から片付けていけば、気持ちの整理をつけながら生前整理を着々と進めることができます。思い入れもなく見ることのなかった物は迷わず捨てましょう。

親はまだ存命で生活しているのですから、全ての物を処分するわけにはいきません。生活に必要な物だけ残すというのも寂しいものです。生前整理は、親のこれからの人生を豊かにする目的もあるので、親が安全に快適に生活できるような空間をイメージして片づけをしましょう。

先にも述べたように、親の世代は物をなかなか捨てません。結果、家に物が増えていくのですが、それを「汚いよ」とか「使わないでしょ」とか言いながら無理に捨てるように迫るのはかわいそうです。



長い間捨てずにいた物は、子から見れば無用の物でも、持ち主なりの思い入れがあるのです。親の気持ちを尊重して、時には思い出話につき合いながら物への執着を和らげて手放すことに協力しましょう。

実家の片づけをする際の残す物を仕舞う方法

家の中にある物は自分と等しい存在だと主張して、捨てることを拒む人もいます。親がこのような物に執着するタイプであれば、無理に捨てようとすることで親子の仲が険悪になります。



また、親に生前整理をすすめると「早く死ねというのか」と気分を害される場合もあります。実家が広いなど、親の生活に支障をきたさないのであれば、多少、物が多くても無理に捨てることをすすめなくてもいいでしょう。

ただ、足の踏み場もないくらい物があふれて移動しにくいような状態、掃除しにくく衛生的に問題がある状態のときは、多少憎まれても強引に処分した方がいいかもしれません。



収納スペースがあるなら、「捨てる」のではなく「仕舞う」ことにすれば親の同意も得やすくなります。

使わなそうな物であれば、親の手の届かない場所に仕舞っても文句を言われません。「使わないのなら捨てればいいのに」と思うかもしれませんが、高齢になると親しい人との別れが多くなるので、物とはいえ「別れ」はつらいものなのです。

親が存命のうちは、物は増えていきますから、生活の様子を見て生前整理を継続的に行う必要があります。ちゃんと話をして一緒に片づける習慣ができれば、終活もスムーズに運びます。

この記事を書いたプロ

鳥谷部剛明

遺品整理・生前整理・終活サポートのプロ

鳥谷部剛明(スマイルライフみやぎ(株式会社ソラフネ))

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