仙台の行政書士より241126心のメッセージ
本日は午前中、成年後見と相続手続きに関するご相談をお受けし、午後は、心の障がい者の就労支援に関するご相談と、シャロームの会の施設を視察される方のご案内をさせていただきます。
今日は、田中信生先生の言葉のご紹介です。
“言葉一つ”から何冊もの本が書けるほど、多種多様な切り口からその言葉の意味を考えることができます。大切なことは、言葉の意味を正しく把握して用いることです。意味を明確に、客観的に把握しながら用いることは、良きコミュニケーションをするために、不可欠なポイントです。
例えば、次の言葉の違いをはっきり知って使っていらっしゃいますか?「単行本」と「文庫本」。「議員」と「代議士」。「生徒」と「学生」。「足」と「脚」。「思想」と「哲学」。「選択」と「選抜」。「食料」と「食糧」。「欲望」と「欲求」。「永久」と「永遠」……。
せっかくですから、ぜひ辞書を引く前に、自分の言葉で紙に書き出し、考え、考え抜き、辞書と照らし合わせてみてください。言葉がよりあなたの中で鮮明となり、さらなる深みへと誘(いざな)われていきますから。
言葉を用いる時、私たちは自分の使っている言葉が相手に届いていると錯覚します。例えば「代表的なおいしい果物は何?」と尋ねたとします。こちらはリンゴを思っても、相手はバナナを思うかもしれません。バナナはバナナでも、台湾産がお好きな人とエクアドル産がお好きな人では異なりますし、少し固めで程よく歯触りがあるバナナがお好きな方もいれば、熟成されてとろけるようなバナナをイメージする方もおられます。このように、自分がどのようなイメージでその言葉を使っているかを厳密にしながら、あなたの語る言葉を鮮明にして用いることが賢明な方法です。
先に挙げた“似ている”言葉でも、その意味の違いが明確であれば、一つ一つの“言葉”は、コミュニケーションの道具としての役目を十分に果たすことになります。似ているようで、ちょっと違っている言葉を用いる時、最初はその違いが小さくても、やがて、大きな隔たりをもたらすことが多いのです。