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嫌な感情を使ったコントロール

菊地茂

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 本日は、カフェ・アート・レストラン「オリーブの風」で心の障がい者の就労支援に関するご相談をお受けいたします。

 今日は、増田泰司先生の言葉のご紹介です。

 自分の幸せのために、人を自分の思い通りに動かしたいと思うのは、当然のことです。たとえば退屈なとき、人を誘って映画を見に行ったりしますね。それは、自分のために、相手に「映画を一緒に見に行く」という行動を引き出したということです。
 このように、相手をコントロールしたいという思い自体は、決して不健全でも病的でもありません。ただ、問題なのは、相手に嫌な思いをさせて動かそうとする場合です。
 たとえば、相手の恐怖心を利用する暴力とか大声、相手の自尊心を傷つけて、羞恥心を利用する嫌味や罵倒、不安感をかき立てる脅しなどです。
 誰も嫌な思いをしたくないですから、あるいは思い通りに動いてくれるかも知れません。ただし、それは喜んでのことではありませんし、その人との関係は必ず悪くなっていきます。誰も嫌いな思いをさせる人のことはすきにはなれませんものね。
 また、「いやな思いをさせるこの人の願う通りになんか、絶対にするものか」というふうに、かえって反発をくらうかも知れません。
 あなたは、知らず知らずのうちに、いやな思いを使って動かされてきませんでしたか?それに気づくことが、気持ちのいい関係の第一歩です。


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