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弱肉強食

菊地茂

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 本日は午前中、相続のご相談をお受けし、午後はNPO法人シャロームの会で精神障がい者の就労についてびご相談をお受けいたします。

 今日は、長峯宙宇先生の言葉をご紹介いたします。

 「弱肉強食」という言葉は、自然界の営み、厳しさを表現したものと私たちは受け止めています。しかし、仮に、ある生物がもう一方の生物を食べ尽くしたとしたら、それは自らも死ぬことを意味します。
 したがって、生物の世界では、「食う」「食われる」という関係は成立するものの、そうならないようにある種のバランスが成り立っており、ある程度自分を守るために禁欲的に生きているのだそうです。全ての生物は、自分の『分際』を守り、限られた資源や環境の中で他の種と争いを起こさないように住み分けています。さらに、交信する周波数や、活動する時間帯も限定されていて、自分が食べる食性も厳密に守って生活しているのです。例えば、アゲハチョウの幼虫だったら、ミカンやサンショウの葉っぱを食べ、キアゲハの幼虫だったら、パセリやニンジンの葉っぱを食べるようにです。
 ここ最近の日本をめぐる世界情勢を見回した時に、何か私たち人間だけが、無益な競争ばかりに心がとらわれ、いわゆる『分際』を忘れてしまっていると言わざるを得ません。しかし、そういう私たちもかつては、風土に根ざした暮らしを送り、旬のものを食べ、地産地消の精神で、こと足りている生活を良しとして生きてきました。今こそ私たちは、このような自然界に学び、歴史に学ぶべき時に来ているのではないでしょうか。

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