「自己使用の土地を所有している方」のための場合の遺言書の書き方
「子供がなく親が法定相続人になる方」のための遺言書の書き方
【遺言書の書き方講座 家族編 vol.11】として、『「子供がなく親が法定相続人になる方」のための遺言書の書き方』についてお伝えしたいと思います。
遺言書を作成する皆様共通のメリット・理由は、相続開始時に面倒な遺産分割協議書が不要となり、相続手続きを円滑に進められることです。
遺言を作成しようと思った時に知っておきたいチェックポイントを解説します。
親が健在かの確認
本人に子供がいる場合には、「子供が第一順位の相続人」になります。
しかし、本人に子供がいない場合には、第二順位の親(直系尊属)が相続人になります。
本人に配偶者がいる場合には、配偶者は親と並んで相続人となります(民法890)。
親と配偶者が法定相続人となっている場合は、親の相続分は3分の1、配偶者の相続分が3分の2となります(民法900二)。
遺言書を作成する上で、子供がいない方は、親と疎遠になっている場合などあらためて親が健在かどうかの確認が必要となります。
親に財産を残す場合の注意点
本人の死後、本人の配偶者と本人の親との間で財産を巡る紛争を起こさないようにするため、本人が親に財産を残す際には遺言をしておくことが望ましい対応です。
また、遺言が配偶者の遺留分を侵害しないようにすることはもちろん、配偶者の遺留分を侵害しない場合でも、親に相続財産を残す理由をはっきりしておく必要があります。
条項例
第○条 遺言者は、遺言者名義の次の預貯金全額を、
遺言者の母A(昭和○年○月○日生、住所:
○○県○○市○○町○○)に相談させる。
1 預金
○○銀行
○○支店
普通預金
口座番号 ○○○○○○○
文例
私の母は父の死後とても厳しい生活環境で、一人で私の大学進学資金や結婚資金
援助にできる限りのことをしてくれました。
そのお礼の気持ちを込めて、私が先に死ぬようなことがあれば、相続財産の一部
を母に残したいと思います。
妻Aは、私の気持ちを十分に理解して、私が母に財産を残すことを理解してください。
今回は、以上となります。