歯周病でも歯列矯正!

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テーマ:歯列矯正

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歯周病患者における病的な歯の移動

歯周病患者の場合には、支持組織が破壊され、歯を前方に押し出すような力が作用する。

つまり、下顎臼歯が近心傾斜し、上顎臼歯がそれに合わせて挺出し、さらに咬合高径が下がることによって、下顎前歯が上顎前歯を突き上げ、フレアリングを引き起こす。

この論文で示されているように、病的な歯の移動の罹患率は30-56%とかなり高い割合で報告しており、歯周病患者を治療する際に、矯正治療が必要とされるケースは、潜在的にかなり存在している。

また、その具体的な変化については、以下に記したようになる。

・支持組織を喪失すると、臼歯部の近心傾斜が始まり、バーティカル・ストップが失われるために、咬合高径の低下が起こる。

・下顎前歯では臼歯部の近心傾斜の影響を受け、挺出および叢生が起こる。

・上顎前歯では挺出するとともに、下顎前歯の突き上げを受け、フレアアウトが生じる。

・更に歯周病が進行すると大臼歯部では分岐部病変を併発し、歯が喪失し、更なる咬合崩壊につながることが多い。

(参考文献)
Pathologic tooth migration. Brunsvold MA. J Periodontol, 2005; 76 : 859-866.

*****
歯周病で来院される患者さまのお口を拝見していると、もともと歯並びが悪く、よく咬める臼歯部から歯の調子が悪くなっている方は、特に日本人では多いように感じます。

このような方の場合、咬合力の大部分を担う大臼歯部がしっかりと機能できない状態、あるいはすでに歯を喪失していて奥歯で咬めない状態ですから、咬み合わせの中心が前方に変化します。

そうなると、上顎前歯部は下から突き上げるような力を強く受けることになるので、より前方に傾斜することになります。

その結果、歯と歯の間の隙間が大きくなったり、若いころよりも出っ歯になります。

そのような場合、歯周病の治療はもちろんですが、歯列矯正も併用した方が、歯の寿命を長くすることが可能となる場合が少なくありません。

興味があれば、かかりつけ医にご相談ください。




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