マイベストプロ宮城
堀克昌

インプラント・歯列矯正のプロ

堀克昌(ほりかつよし) / 歯科医

堀歯科医院

コラム

鼻づまりの人は、歯列矯正をするべし!

2013年4月24日 公開 / 2016年11月22日更新

テーマ:歯列矯正

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 歯列矯正

堀歯科医院公式HP

インプラント専門サイトはこちらです。
仙台市宮城インプラントセンター

口臭外来の専門サイトはこちらです。
堀歯科医院口臭外来

こんにちは
仙台市若林区堀歯科医院の堀克昌です。
堀歯科医院へのご予約は、022-285-0771です。
診療時間中はオペレーターが待機しておりますが、電話がすぐにつながらない場合には、何度もかけなおしてください。

ネット予約がご希望の方は↓をどうぞ。こちらは24時間対応です。
堀歯科医院 24時間オンライン予約 web予約 ネット予約





こんなに怖い鼻づまり!(木川田徹)という本を読みました。

・最近の調査では、アレルギー性鼻炎が45%であるのに対して、非アレルギー性鼻炎も25%と、鼻炎患者総数に対する非アレルギー性鼻炎の占める割合が、これまで考えられていた以上に多いことが指摘されている。

・日中や睡眠中の口呼吸などを主訴とする場合は、次のことが考えられる。

第一は慢性鼻炎の合併です。

日中の鼻づまりがあまり自覚されない場合でも、睡眠中のいびき、起床時の口の渇き、あるいは繰り返す発作性のくしゃみや鼻炎がある場合は、慢性鼻炎の存在が強く疑われます。

第二は、彎曲の凹側に面した広い鼻腔に、局所性の鼻腔粘膜の腫れ、鼻甲介の過剰な形成、副鼻腔由来のポリープなど、鼻の通気性を妨げる何らかの異常がある場合です。

鼻づまりを治療することでもたらす変化:睡眠障害の改善、良好な体の発育、集中力や脳活動の変化、運動能力の変化、情緒の安定・性格の変化、多動性障害・夜尿症の改善あるいは消失

・鼻づまりが、顎の骨や上気道の発育を阻害するといった研究結果が報告された。

同様の変化がヒトの小児でも観察され、アデノイドや鼻炎による鼻づまりが治療されずに放置されると、上顎骨、下顎骨、舌、のどの筋肉、舌骨などの成長を阻害し、気道が狭くなる結果、睡眠時の呼吸障害をきたすことが確認されています。

そしてこれらの事実から、睡眠時の呼吸障害によるエネルギーの過度な消費が、インスリンの活性や成長ホルモンの分泌を乱し、身体の成長が抑制されるといった図式を報告しています。

・睡眠中にいびきをかいている小児では、学業成績が低下するリスクが正常小児の2倍であること、そしていびきの頻度が多いほど、このリスクが高まることが指摘されています。

・疫学的な調査では、米国における2005年の調査によると、通年制アレルギー性鼻炎の約70%が、また季節性アレルギー鼻炎では51%が睡眠障害を感じていることが明らかにされた。

そして2009年の調査では、成人のアレルギー性鼻炎患者が感じている最大の負担が睡眠障害であること、小児のアレルギー性鼻炎患者においては、40%に睡眠不足あるいはその関連症状がみられること、また非アレルギー性鼻炎患者においては、83%が睡眠障害を訴えていることなどが明らかにされている。

・鼻づまりが引き起こす睡眠障害によってもたらされる弊害は、大きく2つに分類できる。

一つは脳の前頭葉の中にある前頭連合野の機能低下であり、もう一つは、視床下部や脳下垂体への影響によるホルモン分泌障害です。

前頭連合野は、人間が進化の過程で発達させてきた新しい大脳皮質であり、注意力、集中力、短期記憶、認知、情動、動機づけ、ヒトの心を推し量る能力など、人間としてのもっとも重要な部分が集中している。

・「狭窄したのど」になると、成人後の睡眠時無呼吸症候群の発生を高める危険性があるといった、口呼吸が重大な弊害をもたらす事実も明らかになっている。

・鼻づまり治療の中核を担ってきた手術である下鼻甲介手術では限界がある。

なぜなら、通気性を取り戻せる範囲は下鼻甲介の周囲に限られるから。

吸った空気のほとんどは、中鼻甲介の周囲に流れ込むことが知られているが、この部位が閉鎖している限りは、鼻づまりに対する効果は限定的。

・以前は副鼻腔根治手術が広く行われてきたが、鼻の内側から副鼻腔換気排泄路を拡大することによる内視鏡下副鼻腔手術が広く行われるようになった。



*****
私は、学生時代、鼻づまり(鼻閉)を主訴に耳鼻科に通院していました。

学校の検診で『慢性副鼻腔炎』あるいは『蓄膿症』などといった指摘を受けていたからです。

『鼻づまりがあると勉強しようにも集中力が続かない。』というのが後になって分かるのですが、耳鼻科に通っていたときには、その状態が昔から続いていたので、何とも感じていませんでした。

今考えると、睡眠もどちらかというと浅かったようにも記憶しています。

(風邪をひくと、最初に鼻づまりから始まり、最後に鼻づまりが治ってやっと風邪が治るというような状態でした。

1年のうち、1/3か1/4は鼻づまりだったと記憶しています。)

投薬を受けたり、洗浄したりと1年間、耳鼻科に通院しましたが、結局鼻づまりは改善することはありませんでした。

しかしながら、大学院卒業後、咬み合わせ治療の一環として、自らに歯列矯正治療を行ったところ、耳鼻科にいくら通院しても治らなかった鼻閉が治ったのです!

上顎の歯牙の歯根は、上顎洞底の中にあるので、歯列矯正で上顎の歯牙の位置を変化させると、上顎洞を含めた副鼻腔内の空気の流れが変化するのではないかと推測しています。

矯正治療後は、鼻の通りがよく、これが鼻呼吸なのだと今さながらに確信しました。

お恥ずかしいことですが、自分では口呼吸をしている意識はなかったのですが、矯正治療以前は口呼吸だったことが判明しました。

一度鼻呼吸が確立すると、逆に口で呼吸することに違和感を感じるものです。

勉強ができる学生、仕事ができるビジネスマンには、鼻呼吸の人間が多いのではないかと思います。

学生時代は、頑張りが効かなかった私が、鼻呼吸が確立してから、以前とは別人のように頑張りが効くようになったのですから。

そのような意味で、鼻の調子が悪く、思ったように結果が出せないでいる学生さんやビジネスマンには、堀歯科医院では歯列矯正をお勧めしているのです。

ただし、小臼歯を抜歯して歯列不正を改善するタイプの歯列矯正では、鼻症状は改善しない可能性が高いです。

私が自らに行った歯列矯正は、歯列を拡大するタイプの歯列矯正で、非抜歯矯正と呼ぶ人もいます。

重要なのは、犬歯間幅径を拡大することです。

抜歯矯正は4番目の歯を抜歯し、一回りアーチを小さくしながら、歯の叢生を解消していく歯列矯正です。

こと犬歯間幅径について言えば、あまり拡大されているとは言えないからです。

また、鼻症状をお持ちのお子さんで、成長過程であれば、上顎骨を上前方に成長させることを目的にするRAMPA療法が最も根本的に鼻症状を改善できると考えています。

このRAMPA療法とは、犬歯間幅径を拡大が可能なのはもちろん、上顎骨の前方成長を促す治療であるため、成人における非抜歯矯正治療よりも効果的にアーチを拡大することが可能です。

イメージとしては、非抜歯矯正が歯槽骨の範囲内で、最大限歯牙を傾斜させて犬歯間幅径を拡大し、咬み合わせを構築するのに対して、RAMPA療法は、ベースとなっている歯槽骨のサイズ自体を大きくするというものです。

これまでの歯列矯正では、矯正後の後戻りが生じるのは、”態癖(たいへき)”であるとされてきました。

(”態癖”とは、良くない生活習慣のことで、うつぶせ寝や頬杖をはじめ、舌の位置が良くないケースなどもこの”態癖”に該当します。)

その考え方の根本にあるのは、『もともと持っている態癖を意識的に改善すれば、後戻りは起きない。』というものですが、実際は本人が意識をしていても克服ができない態癖が存在するのも事実です。

抜歯矯正では、『重なりなく並べた一回り小さい歯列に対して、”舌”が問題である』ということでしたが、このRAMPA療法は、舌が窮屈でないように、歯槽骨の成長方向を改善し、歯を並べるという発想の全く異なる歯列矯正です。

舌の大きさに合わせて歯列を拡大するので、舌が狭いアーチを嫌がり、舌を歯の上に乗せたり、舌を突き出したりして生じるタイプの後戻りは極端に少なくすることができます。

体にとって舌が楽な位置に来れるようになるため、治療前後で気道が広くなります。

気道が広くなるため、口呼吸が鼻呼吸となり、様々な病気を克服できる可能性があります。

(ちなみに、『口呼吸も悪習癖の一つで意識して改善するべきだ。』という考え方もありますが、私は、体は理由があって、口呼吸を選択しているのだと考えています。)

堀歯科医院では、現在このRAMPA療法を取り入れ、治療前後のデータが蓄積されてきています。

矯正相談で来院された方には、治療前後の歯列の変化、お顔の変化、気道の大きさの変化、体の姿勢の変化などをお見せしています。

ご希望の方はご来院ください。

なお、RAMPA療法の詳細については、以下のサイトを参考にしてください。

ランパセラピーに基づいた顎顔面口腔育成治療
顎顔面口腔育成研究会

(2014年4月更新  RAMPA療法に関する内容を追加)


堀歯科医院には、宮城・仙台からインプラントや矯正治療を希望される患者さまが多数来院されています。
~口臭外来や審美歯科の相談・カウンセリングにも対応~
堀歯科医院公式HP

インプラント専門サイトはこちらです。
仙台市宮城インプラントセンター

口臭外来の専門サイトはこちらです。
堀歯科医院口臭外来

堀歯科医院へのご予約は、022-285-0771にお願いします。

診療時間中はオペレーターが待機しておりますが、電話がすぐにつながらない場合には、何度もかけなおしてください。

ネット予約がご希望の方は↓をどうぞ。こちらは24時間対応です。
堀歯科医院 24時間オンライン予約 web予約 ネット予約
出ー

この記事を書いたプロ

堀克昌

インプラント・歯列矯正のプロ

堀克昌(堀歯科医院)

Share

関連するコラム

コラムのテーマ一覧

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ宮城
  3. 宮城の医療・病院
  4. 宮城の歯科治療・口腔外科
  5. 堀克昌
  6. コラム一覧
  7. 鼻づまりの人は、歯列矯正をするべし!

© My Best Pro