義歯を入れると、味が分からなくなるのか?

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口腔内には味覚重要器として味蕾が数多く存在する。

味蕾は大多数(約2/3)が舌表面に、その他(約1/3)には軟口蓋、咽頭部に存在する。

通常、義歯床は欠損部顎堤に(上顎であれば硬口蓋を含んで)設定するが、味蕾が存在する場所には設定していない。

つまり、義歯床は味覚受容器である味蕾を被覆しておらず、味覚そのものには影響を与えないはずである。
しかし、Murphyらの報告によると、床義歯を装着することで味覚が鈍くなると報告している。

また、Henkinらは上顎義歯を装着することで、①甘み、塩味の味覚閾値には影響を与えないが、酸味、苦みの味覚閾値が上昇する(味覚感受性が低下する)②においを識別しにくくなる、と述べている。

さらにKupurらは義歯を装着することで酸味の判断閾値が低下する(酸味に対して鋭敏になる)と報告しており、見解が一致していない。

実際には義歯装着により味覚感受性が低下すると考えるものが多いようである。

(クインテッセンス 2013年2月号)

*****
味を感じ取る味蕾が存在するところには、義歯の外形はないのですが、実際には義歯装着により、味がわからないと感じている方はいらっしゃいます。

またそのような方は、初めての義歯、特にある日を境に大きな義歯を使用することを余儀なくされた方が多いように感じます。

味を感じないというのも一種の義歯への拒否反応と考えることができます。




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