【その気持ち分かります】楽器を持って行き辛い理由
今回はフレットの残量のお話し。
今回の記事は
誰か。
どこか。
を指して記事にしている訳ではございませんので、ご承知おきくださいませ。
楽器店の中古楽器やリサイクルショップ、個人売買まで、今では多くの中古楽器が日本中にあります。
商品の説明には、様々なコンディションの説明があり、その中でも目にする事が多いのは【フレットの残量】です。
フレット残量は、弦の数とフレット数に比例してチェックすべき数が増えるので、大体〇〇%〜とか何割〜とかいう表現をする方(お店)が多いです。
一番町ギターでもそのような表現を使っております。
今日はその残量〇〇%の目安を紹介するので、参考になれば幸いです。
大きく分けてお話は2つ。
1・フレットの高さによる弾きやすさの目安。
2・残量がどれくらいあればいいか?
です。
まずは
1・フレットの高さによる弾きやすさの目安。
0.75 mm
を下回ってくると弾きづらさ、フレットの低さを感じてきます。
プレイヤーによってもちろん誤差はありますが現代の音楽シーンにおいて、この高さを下回ってくると押弦時、指の腹が指板に触れる事が多くなります。
チョーキング、ビブラートに違和感を感じ、押弦の力加減も難しくなります。
フレットの頂点に合わせ弦高調整をしている場合、弦の振幅も抑えられ鳴りも悪くなります。
0.75 mm を下回ったら即交換が必要。という訳ではありません。
が、0.7mm を下回るもしくは近づくにつれフレットのすり合わせ等の処置はできない状況になり、弾きづらさを解消する事は困難になってきます。
2・残量がどれくらいあればいいか?
まずはフレットの高さって元々どれくらいあるの?という前提からスタートします。
ざっくり説明すると
新品時は概ね1.15mm ~ 1.4 mm くらいあります。
フレットの種類によって違いますが、「ざっくり」まとめました。
と、するならば
60% の残量で約0.69 mm 〜
70% の残量で約0.81 mm 〜
80% の残量で約0.92 mm 〜
くらいを想定できます。
1・フレットの高さによる弾きやすさの目安。
から考えると60%~ は結構厳しい数値を叩き出します。
70%でも厳しいかも、、、、、
と思われる方もいるかと思います。
ここでポイントなのが、その数字って正確なの?
です。
一番町ギターでは1/100mm 単位のデジタルノギスと目視で残量の割合を出しています。
正確なフレット残量の測定はGLIDEなどでもやっているplek が正確に測定する事ができます。
僕は過去のplek 作業の経験から、目視によるフレットの減り具合のイメージと実際の残量の認識にはズレがある。という事を把握しております。
話を元に戻し、まとめると「残量70%前後」 はよく状態説明に使われるが、実際はそこまで減っていない。安パイをとって残量70%前後と説明しているケースが多い。です。
仮に。本当に0.7 mm 台だった場合、人によってはフレット交換が必要ですよ。
と説明しないと、場合によっては説明の不備だ。と言われる可能性も出てきます。
お店であればどうやって残量を測ったのですか?と聞いてみてもいいかもしれません。
ノギスでも正確に測る事は難しいですが、誤差は目視よりもずっと少ないです。
参考までに一番町ギターのプライスカードはこんな感じです。
そう考えるとフリマアプリや個人売買では、フレットの残量を正確に把握するのは難しいですよね。
なのでお店で楽器を買わない場合は、感覚に頼るしか無いのかな〜。と思います。
その辺が、安く買えるかもしれない???というメリットの反面になるのでしょう。
今回の記事はメルカリやヤフオクで購入もした事のある、自分の経験からの印象です。
お客様の立場になって考え、販売する立場になって考え、経験や知識から考え、そうやってもっとお客様が楽器を楽しむにはどうしたらいいのか?安心して買えるにはどうしたらいいのか?を常に考えてお役に立てればこれ幸い。
以上