「手前」と「前」から考える力
本日文部科学省から「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」が発表されました。
◆概要の要約(不登校に関する部分)◆[/大見出し]
令和6年度の調査では、小中学校の不登校児童生徒数は過去最多の353,970人となったが、前年と比べると増加率は大幅に低下した。
特に中学校での増加幅が小さく、新規の不登校者数や継続率も減少したことが背景にある。ただし、依然として減少へ転じるには至っていない。
増加要因としては、休養の必要性を認める法の浸透、コロナ以降の登校への意識変化、生活リズムの乱れや特別な支援を要する子への対応課題が挙げられる。
一方、増加率の抑制には、チーム学校による丁寧なアセスメント、専門職の活用、多様な学び場の整備、保護者支援、ICTによる心の状態の早期把握などが寄与した。
不登校理由では「学校生活への意欲低下」「生活リズム不調」「不安・抑うつ」が多い。95.8%の児童生徒が何らかの相談や指導を受け、ICTや学校外機関での学習が出席扱いとなる例も増えている。
◆改めて数値は以下のとおりです◆
全国では、小学生137,704人(前年度130,370人7,334人増)、中学生216,226人(前年度216,112人114人増)
合計、353,930人(前年度比7,448人増)です。
なお、三重県では、小学生が1,954人、中学生が2,937人合計4,891名です。
調査の概要は以下からご覧いただけます。
https://www.mext.go.jp/content/20251029-mxt_jidou02-100002753_2_5.pdf
本編は以下からご覧いただけます。
https://www.mext.go.jp/content/20251029-mxt_jidou02-100002753_1_4..pdf
◆感想◆
大きな伸びが落ち着いたようにみえます。
たとえば、フリースクールに通って出席扱いの日数が多い子は不登校の数字に入りません。
◇都市部でピークアウト?◇
また、東京都を見ると令和5年度に大きく増加した不登校児童生徒数が、令和6年度には小学校でほぼ横ばい、中学校では減少に転じています。
さらに出現率も中学校で低下しており、全国で増加率が鈍化している今回の傾向と照らすと、都市部は全国より早期にピークアウトを迎える可能性が示唆されます。
では、その理由は次のとおりと考えられます。
①支援資源が多い
・教育支援センター密集
・医療心理アクセス良好
②不登校特例校が複数存在
→制度的な“出口”がある
③学校外学習(フリースクール等)が認識されやすい
④情報アクセスが早い
→初期段階支援・制度活用が早期
⑤中学生の登校ハードル(部活・評価・人間関係)がコロナ期にピークアウト



