コストダウンと改善・改良の余地を残した設計
設計製造依頼があり、その要求仕様書が来たとします。
その際、必要なことは何でしょう?
Ⅰ.まずは読む
まずは、読むことです。斜め読みせず、一言一句隅から隅まで丁寧に読み返しましょう。
Ⅱ.自分なりにまとめる
そして、その内容を自分なりにまとめます。
① どうゆう目的で使われるのか。
② どのように使われるのか。
③ どのような環境で使われるのか。
④ 新しい技術が使われているのか。それとも既存の技術で成り立っているのか。
⑤ 耐用年数はどれだけを想定されているのか。
⑥ いつ必要なのか。
⑦ どれだけ必要なのか。
等々についてです。
Ⅲ.精査し問題点を抽出する
要求された仕様の条件をまとめ、矛盾がないか、出来る内容なのかをまとめます。仕様の精査をするのですが、この時点でいくつかの問題が見つかることが多くあります。
① 要求された仕様に矛盾点はないか、理論的に成り立つのか。
② 実際に作れるのか。自社の能力を超えていないか。
(設計能力、製造能力 / 人員、スキル、設備 等)
Ⅳ.依頼先に確認する
見つかった問題点を依頼先に確認します。この時、必ず確認しておくべきなのが次の2点です。
① 「マスト(絶対に必要な条件)は何か。
② 各項目の優先順位は何か。
要求された仕様を全て満足させることはできない、または論理的にできないこともあるでしょう。さらに、自社の技術や設備ではできない、コストや納期的に難しい等といったこともあり得ます。
となれば、何を取り、何を捨てるか、という取捨選択が必要になります。依頼先に、マストの条件を確認するのは当然として、使用目的や使用方法も知っておく必要があります。そうでないと、過剰品質またはその逆にもなりかねなません。
Ⅴ.可能な仕様をまとめ、依頼先の承認を得る
取捨選択した内容を元に可能な仕様をまとめ、依頼先の承認を得ます。
Ⅵ.経営判断が必要な場合
設計や製造をするために、人員や設備を増やす必要がある場合などは、依頼を受けるか否かを含めて、経営判断が必要になります。



