経営改善・金融交渉を支援するプロ
久乗哲
Mybestpro Interview
経営改善・金融交渉を支援するプロ
久乗哲
#chapter1
「税理士法人りたっくす」の代表社員であり、税理士として活躍する久乗哲さん。企業の「永続的繁栄」を使命と捉え、数々の顧客をサポートしています。
久乗さんには税金関連以外にも、経営についての相談が数多く寄せられます。「私たちはもちろん税のプロですが、そこにとどまることなく、経済循環におけるより良い企業活動について全体的に見定め、税理士の視点から経営をコンサルティングしています」
多彩な分野の顧客を持つ久乗さん。経営難に陥った事業の建て直しにも携わることもあるといいます。「とあるスーパーが、経営者の世代交代にともない、大幅に事業を転換したことがありました。ナショナルブランドの取り扱い廃止、閉店間際のタイムセール廃止を皮切りに『安心にこだわった食品を提供』というコンセプトを打ち出したのです。ところが当初は価格の高さゆえに敬遠されて売り上げは半減。そこから建て直すため、金融機関との交渉、企業イメージをアピールする新聞広告を出稿アドバイスなど、多様なサポートを続けました。そうした努力が実り、今ではモデルケースとしてメディアに掲載されたり、さまざまな大手スーパーが視察に訪れるまでに成長したのです」。久乗さんは、企業規模の大小、老舗、ベンチャーを問わず、多彩な顧客を数多く抱えています。「『あなたに頼まないと、うちは危なかった』と言われることも多く、頼もしく思っていただいていると実感しますね」
#chapter2
自らが経営する会社が今どんな状況にあって、利益がどの程度なのか、赤字がどんな状態で、何年後に、どうやって黒字へと導くのか…。会社の経営状況についてきちんと話せる経営者は、実は少ないのだといいます。
久乗さんが得意とするのは金融交渉の支援。「経営者の中には、金融機関との交渉が苦手だという方もいます。そこで、銀行に対してどう理論立てて説明し、どのように交渉すればよいのかをアドバイスしています」
例えば、1年間で1000万円の利益を出す力があったとしても、返済に1500万円充てなければいけないとなると、利益と返済の足並みが揃いません。「例え会計上は黒字であっても企業は倒産します。目指すのは、利益の範疇で返済できる確実なキャッシュフローです」
「計画性を持たず『足りないから貸してください』では、雪だるま式に借金が増えていくだけです」と、警鐘を鳴らす久乗さん。「『賞与を支払うために借り入れたい、返済は何とかする』ではなく、本来は、返済可能な範囲内であると銀行が納得し、協力してくれるように『こういう経営で、何年後に返す』と、信頼性を高めるような説明をすべきなのです。合理的に説明ができれば、検討の余地はあるはず。だからこそ、自社の状況が説明できるレベルへと経営力が向上するように力を注いでいます」
久乗さんが業界に入った20年ほど前には、まだまだ少なかったという、金融交渉支援を担う税理士事務所。「税理士さんは、こんな仕事までするんですか? とよく聞かれますが、すべては企業が社会の中で機能し続けていく永続的繁栄を目指すからこそ。私にできることなら、最大限尽力します」
#chapter3
そんな久乗さんが掲げるのは「自利利他」。つまり「顧客や社会のために努力することが自分の喜びである」という考え方です。「スタッフにはよく『分別のある仕事はするな』と言っています。それは『お客さまと自分』という区別をせず、自分のこととして仕事に取り組めということ。それが当事務所の理念なのです」
「自利利他」の実践を可能にしている大きな要因は、久乗さんのユニークな考え方です。「物事や知識はひとつの『点』です。税理士としての知識はあっても、ほかの領域に疎くては、税金だけの『点』がつながり、平面になるのみ。例えば、交渉に必要な心理学や哲学を知っていれば、それと税とがつながって立体になっていくでしょう。点の知識を仕入れて面や立体にするのは、これまでの経験あってこそ。そういった意味で、税理士の仕事はクリエイティブだと思っているんです」
華々しい実績を上げていながらも、それは「『売り上げを増やしたい、儲けたい』という気持ちではありません」と断言します。「これまでのノウハウをもって、まだ見ぬお客さまを助けたい。それが結果的に事業を拡充することにつながったとしても、ビジネスの根底は『いかに誠実な姿勢で、社会の要請に応えるか』のみ。そこに嘘が入ってはいけません」。顧客の期待を裏切ることなく、長きに渡り支援を継続していくことこそが目標と語ります。「共感してもらえる顧客ならどんどん支援したい」という強い信念が、企業からの信頼をより高めています。
(取材年月:2013年12月)
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経営改善・金融交渉を支援するプロ
久乗哲プロ
税理士
税理士法人りたっくす
「税理士法人りたっくす」は「自利利他」の精神を基に、顧客の立場に立ったサポートを実施。経営改善につながるアドバイス、金融機関との交渉支援を通じ社会で永久的に継続できるビジネスのお手伝いをします。
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