考えても仕方ないことは考えないことも大事である
講談社。桐野夏生。
古い本であるが、本棚にあり、いつか読もう、いつか読もうと思って中々手に取ることができなかった。
桐野夏生の作品は、救いがなく、読んだ後気持ちが沈むからである(ただ、面白いことは間違いがない)。
夜勤の弁当工場で働く主婦たちが、なぜ死体をバラバラにしたのか。そして、その後の怒濤の展開。
主人公の雅子に感情移入してしまい、雅子がどうなっていくのか、頁を繰る手が止まらないのである。
あまり書くとネタバレとなるため、この程度にするが、携帯が出だして、まだ街金くらいしか持っていないところの時代背景がこれまたいい(発刊が1997年で平成9年なのだから、その頃は誰もが携帯を持っている時代でなかったので、当たり前なのだが)。
面白いけれど、気持ちが沈んでも惹き付けられる、どこまでも乾いた桐野夏生ワールドの世界に浸りたいのであれば、どうぞ。



