既婚者であることを秘して性的関係を持った場合の貞操権侵害

中隆志

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 既婚者であることを秘して、主として女性と性的関係を持った場合の損害賠償請求がされる事例が増えているようであり、なんと昨年の年度末には検察官がマッチングアプリで同様の行為を行ったとして、女性から提訴されたという報道に接した。

 平成27年1月7日東京地裁判決は、判例時報2256号41頁に掲載されており、私の事務所で判決を取ったものであるが、「妻と別居中の男性が、既婚者であることを告げることなく職場の未婚女性に交際を申し込み交際し、妻との婚姻関係を修復した後も、そのことを隠し、性的関係を継続した行為について、当該女性に対する人格権侵害の不法行為の成立を認めた事例」である。
 この判断枠組みは参考となると思われる。
 担当は主として、当時事務所に在籍していた紀弁護士がしていたが、私も尋問には同行し、あまりにも被告の男性の言い訳が酷いので、現場で頭にきて(私が頭にくることは実は珍しいのだが)、紀弁護士よりも先に尋問をさせて欲しいと言って尋問をした。裁判官も相当被告の態度には怒りを覚えられた模様で、かなりの時間補充尋問をされていた。

 今の時代は、マッチングアプリがあるので、これからはこうした事件が増加してくると思われる。
 事例も一定数集積があるようであるので、弁護士としては、裁判例などを参考にして対応することが望まれる。

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