読書日記「デスチェアの殺人」
完全に切り分けることはできないところもあるが、弁護士の仕事をする姿勢として、一つ一つの事件を丁寧に解決をして、依頼者のことを考えるタイプを職人的弁護士とすれば、ビジネスとして捉えている弁護士はビジネス弁護士とでもいうべきであろう。
ビジネス弁護士は、訴額の小さい事件は受けないであろうし、そういう事件に力は入れないと思われる。
一方、職人的弁護士は、訴額の多寡や困難さなどで姿勢が全く変わらず、依頼者のために、それこそ一つ一つの作品をこだわり抜いて作成する職人のように仕事をする。
私自身は職人的弁護士でありたい思っている。例えば、高次脳機能障害の事案などだと、治療期間も長いことから、連休をつぶして1500頁くらいあるカルテから、一つ一つ事実を拾って行くという作業をすることに何の抵抗も感じず、依頼者にとっていい事実がカルテから拾えると、充実感がある。
裁判例等も調査して、裁判所の傾向が分かり、規範を立てて当てはめるということのために、時には使えない無駄な裁判例を読むことについても抵抗がない。
訴額が小さい事件でもそれは変わらない。
何回も書いているが、私がブログで書いているのは理想であり、私自身、人間であるので、時にはサボりたい、楽に仕事をしたい、逃げたいという思いを戒めるために、こういうことを書いている。



