弁護士の多様な働き方

中隆志

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 私が弁護士登録した平成8年は、企業法務系の弁護士かマチベンかくらいの進路しかなかった。
 マチベンとなった場合、その事務所でパートナーになるか、独立して自分の事務所を開設するかということくらいしか選択肢はなかった(弁護士を辞める場合は別だが。辞める人も少なかった。)。

 今は関与している日弁の委員会で見ても、周囲を見てもいろいろな働き方とその後のライフプランがあるように思われる。
 従来型以外であげてみると、以下のようなものである。

1、転籍
 事務所を転籍する人が増えた印象である。転籍して勤務弁護士として働く人もいるだろうし、パートナーとなる人もいているようである。
2、企業内弁護士
 企業に勤める方が福利厚生の点で有利であるとして、企業内弁護士となる人も相当増えたと思う。
3、ひまわり公設事務所
 司法修習を終わって養成事務所(都市型公設事務所など)で養成を受けてひまわり基金法律事務所の所長になるルートがあるが、それ以外に、中堅やベテランが「過疎地の力になりたい」として所長に応募されるパターンもある。また、中堅ではなくとも、一定年数経験があれば、養成されていなくとも誰でも応募できる。私が弁護士登録をした頃にはなかった制度である。
 ひまわり公設事務所の所長になった後は、以下のような進路がある。網羅的ではない。
 ア、養成事務所に戻る。
 イ、企業内弁護士になる。
 ウ、勤務弁護士となる。
 エ、独立する。都市部の場合もあれば、過疎地で日弁連の経済的支援制度を利用して開業するパターンもある。
   数は減ったが、そのまま定着と言って、ひまわり基金法律事務所を自分の事務所とするパターンもある。
 オ、自治体で働く。
 カ、企業に入り、役員として働く。
   一定数いることは確認している。

 私などは従来型弁護士中の弁護士だが、これから弁護士を目指す人、今目指している人、弁護士登録はしたもののどうも「思ってたんと違う」という人などに少しでも参考となればと思い書いたものである。

 以上です。

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