読書日記「デスチェアの殺人」
講談社文庫。津村記久子。
芥川賞受賞作で、筆者の本をまとめ買いしてあり、時々読んでいるので、読んだ。
29歳で社会人8年目のナガセ。年収163万円。会社に貼ってある世界一周旅行の代金が自分の年収と同じであることを知り、節約して世界一周旅行に出かけることを目指す。
そんなナガセのところに夫と別居した友人とその子どもが転がり込んできて、不意の出費があったり、なかなか思うように行かない。
老朽化した自宅も改築しないといけないと母と話をして、気が滅入る。
最後は細かいことはどうでもいいかと思わせてくれる作品。
一二月の窓辺も収録されているが、こちらは主人公がすさまじいパワハラを受けていて、読んでいてつらいが、最後には希望が持てる。
お勧めの一冊。



