読書日記「デスチェアの殺人」
裁判の相手から準備書面が出た時などに、ただ写しを送ると、依頼者の方はどうすればよいのか分からず連絡してこられる場合がある。
例えば、裁判までに反論しないといけないのか等である(たいてい期日の少し前に出るので、それは時間的に不可能である)。
あらかじめ、全般的に説明しておいても、個々に説明した方がいい場合もある。
あるいは、依頼者からすれば非常に腹立たしいことが書かれていることもある。
連絡文にこの準備書面に対してはこう考えているとか、こう対応するとか、腹立たしいことが書いてあるとは思うが、次回こちらが反論するので、裁判後に打合を入れますとか書いておくと、依頼者は安心するものである。
交通事故の賠償額の計算でも、計算だけを送られても依頼者は分からないから、その中身を説明しておくとか、手紙だけだと説明がしづらい場合には、内容は打合で説明するので、打合を入れましょうとか、できるだけ依頼者側に立った連絡をすべきだと思う。
依頼者の方はほとんどの方が自分の事件の情報が欲しいし、正確に理解したいものだと思っている。
私が弁護士になった頃は、割合依頼者に写しも送らず、裁判がどうなっているかも報告せず、ある程度進行した時点で依頼者と打合を入れて、「先生どうなってるんですか」と聞かれて、「こんな書面が出て、それに対してこう反論して、次回はこういう予定となっている」などとしていた弁護士もいた。
今の時代はそれではやっていけないであろう。
以上です。



