読書日記「デスチェアの殺人」
講談社現代新書。乃至政彦。
戦国時代のシミュレーションゲームなどをしていると、それぞれの部隊が陣形を保って激突するという設定となっているものがある。
この陣形という考えはいつ生まれたのか、そして、本当に陣形などというものがあったのかということについて、史料を基に整理された新書である。
確か、上杉謙信の謀臣と言われた宇佐美定行という武将が作ったとされる軍学を学んだという軍学者が、幕末に召し抱えられ、いよいよ宇佐美流軍学に基づいて各陣形による模擬戦をした時に、中身がなく見ていた殿様ががっかりしたという話をどこかで読んだ気がする(多分、軍学を学んだこと自体がウソだったのであろう)。
三国志でも相手の陣形のここが弱点であるとして、諸葛孔明などの軍師が相手の陣形をズタズタにするという場面が何度となく出てくる。
陣形はあったのか。あったとしてどんなものだったのか。
興味があるごく一部の人は是非読んでいただければと思う。きっとごく一部であろう。



