物事の捉え方

中隆志

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 同じ物事を捉えても、人によってその受け止め方が異なっていたり、違う認識を持っていることがある。
 また、物事に対して、認知が歪んでいると、その物事の捉え方が異なっていることがある。

 離婚事件でこれが顕著であり、妻側は夫側の問題を主張すれば、夫側は妻の問題を主張するということがよくある(一方が本当にどうしようもない事案も当然ある。)。
 また、客観的に見れば、そんな意図はなかったのではないかと思うことも、発言した当事者に対して悪意を持っていると、悪意のある発言として捉えてしまうこともある(もちろん普通に悪意があることもある)。
 第三者からの発言で、ある物事に対して歪んだ認識を有していることもあるが、その第三者の発言が正しいとは限らないことも要注意である。

 客観的な事実を認識するということは、人が人である以上できないのかも知れないが、そのような中、まずは客観証拠に基づいて、それだけで分からない部分は、当事者の主張のいずれが客観証拠に合致するか等を検討し、何が事実かを確定して、法律を適用していくこととなる。
 これは判決だけではなく、事件の見通しということで、トレーニングされた弁護士は、常にその点を検討して依頼者に説明をしているのである。

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