今年もありがとうございました
新潮社。角幡唯介。
地図を見てそれをなぞるだけで登山といえるのか。地図を見て問題のないところを登って何になるのか。
かつて地図を作った人は、そういうものがない状態で登山をしたのではないか。
地図のない登山をして初めて自然と対峙したといえるのではないか。
要旨そのような考えから、地図を持たずに日高山脈で登山をしたノンフィクションである。
なぜ日高かというと、筆者が他のところでは知識があるが、たまたま日高の知識がなかったためである。
正直、このような冒険は筆者のレベルであるからこそ思いつくのであろう。
ヒグマが普通に闊歩する山中をイワナを釣って燻製にして探検して自分なりの地図を作る。
なぜ、このような冒険をするのか、せざるを得ないのかという筆者の内面にも重きが置かれた好著であるが、決して真似してはいけないのである。



