今週の小次郎
河出書房新社。上田秋成。円地文子訳。
上田秋成の雨月物語では、異界の闇の異形のものが日常に普通に現れる。
村上春樹が、自分は上田秋成の系譜に連なるものであるということは繰り返し語られている。
内田樹先生の「村上春樹と上田秋成」という論考(ネットで読めます)でそれが整理されている。
ということで、村上春樹作品をずっと読み続けている私としては、いつかこの雨月物語と春雨物語は読もうと思っていたのであるが、ようやく読了することができた。
ストーリーテラーとしての上田秋成の技量もさることながら、円地文子の訳でそれが非常に読みやすくなっている。
村上春樹と上田秋成のつながりは内田樹先生の前記論考に譲るとして、作品としても普通に面白い。
異形のものが普通に存在する世界を読んでみませんか。



