読書日記「浮游霊ブラジル」

中隆志

中隆志

 文春文庫。津村記久子。

 岸本佐知子さんの書評にあった本である。岸本佐知子さんが絶賛していたので購入した。
 正直、現代にもまだまだとんでもない作家というものはいるということを痛感させられた。
 まさに、まだまだこの世の中には知らないことがあるということである。私が知らないだけか。
 この本で筆者は第27回紫式部文学賞を受賞している。

 冒頭の「給水塔と亀」は、定年で仕事を退職した後、帰郷した独身男性の日常を書いた作品である。この作品で筆者は川端康成文学賞を受賞している。
 女性の作家なのだが、おじさんの心理描写が上手い。私はこの作品が一番好きである。
 生前、「物語を消費しすぎた」ために、地獄に落ちた女性小説家を待ち受ける苦難を描いた「地獄」。
 主人公たちは、けっこう辛い目に遭っているはずなのだが、それでもなぜかクスリと笑ってしまう作品である。
 「浮遊霊ブラジル」初めての海外旅行を前に急死した男性。浮游霊となり他人にとり憑いて旅行に行く予定だった先を目指すのだが、たどりついたのは目的地ではないブラジルだった。。。。
 最後にジーンとくる作品。
 ほか、数作納められている。

 お勧めなので、是非どうぞ。
 
 

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