事務所を出ると仕事のことは考えない

中隆志

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 仕事のことが常に頭にあり眠りが浅いという話を先日聞いた。
 枕元にメモを置いてあり、目が覚めると思いついたことを書くそうである。
 自宅でも、プライベートの時でも仕事のことを考えてしまうということも弁護士からはよく聞く話である。

 私はというと、若い頃はそうした時期もあったが、今は事務所を出た瞬間から仕事のことは考えないでいる。
 いつ頃からか思い出してみると、15年くらい前からそうしているようである。
 どうしてそうできるかというと、行き帰りの電車の中では本を読んでいるのでそちらに集中しているからである。
 また、考えても仕方がないと思ったからでもある。また、自宅では調べ物もできないからである。
 さらに、夜に浮かぶ考えはたいしたことがないことが多いからである。
 考えるのは事務所の中だけで集中してやるようにしている。

 予定は全て手帳に書いているので、翌日の予定は電車を降りる少し前に手帳を見て、「今日はこういう予定やったんか」と思うくらいである。
 もちろん、どこかに出張に行かないといけない時は前日に見てそれくらいはぼんやり覚えている。
 最近では予定をしっかり覚えていたのは京都アニメーションの被害者参加の期日くらいである。
 そうしないと、きっと脳が疲れて、いい仕事はできないと思うのであるが、どうであろう。

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