徹夜
弁護士登録をした平成8年頃は、法律事務所の名前はたいていその弁護士の名前であった。
私も平成14年に独立する時に事務所の名前をどうしようか考えたのだが、結局、考えるのが面倒で、自分の名前にした。
地名で事務所の名前をつけてしまうと、そこから移動した時にどうするかという問題がある。
二条法律事務所も考えたが、これだと事務所を移転する際に二条通りを水平移動するしか選択肢がなくなるので、5秒くらいでやめた。
勝手に引き合いに出して悪いのだが、御池総合法律事務所は、事務所を移転するとしたら、御池通りを水平移動するしかないであろう(事務所名を変えれば別だが)。
次に、何か意図がある事務所の名前は特段思いつかず検討すらしなかった。
色々と意図のある名前の法律事務所が出てきているが、中には見ただけでは意味の分からない事務所もある。
いちいち事務所名の由来を説明するのも面倒だということも検討しなかった理由である。
好きな花の名前にされている事務所もある。私自身、好きな花といえば桜くらいであるが、私が「桜法律事務所」などと名乗るのは似合わないことこの上ないであろう。
名前でやっている事務所も、共同経営となると、名前を足していくところも多い。
私が勤務弁護士をしていた福井啓介先生の事務所は、今、福井・稲田・上辻法律事務所である。
電話をかけると、事務員さんが事務所名を電話口でいいにくいそうである。
あとは、「かわの」なのか「こうの」なのか読み方が微妙であるということで、平仮名にしている事務所もある。
中村利雄弁護士は故人となったが、後を継いだ弟子たちはそのままの名称で事務所を続けていて、ホームページに名前と顔も載っている。
あとはボスが亡くなられても、ボスを敬愛して、そのままの名前でしばらく続けられていた弁護士さんもいる(その先生からボスの逸話をいくつか酒席で聞いたことがあるが、もの凄く破天荒な方だった。登録後間もない頃、記録も読んでいない事件で、ボスが反対尋問をするのかと思っていたら法廷から消えていて、その場で記録を読んで反対尋問をさせられたそうである。)。
そういうのって何かいいと思う今日この頃である。