読書日記「百年の孤独」
草思社。伊地知英信。
外来種は悪で駆除されるものだという単純な価値観に一石を投じる一冊。
日本で現在育てられている野菜の中にも外来種はあるし、外来種が駆除されればそれで本当に自然は再生するのかという疑問を呈する。
通常釣られるコイは日本原産のものではなく、日本原産のコイは琵琶湖の奥底にしか生息していない。
しかし、コイを外来種としては認識していない人が大半ではなかろうか。
筆者は、「生き物を良い悪いで見ること自体がおかしな自然観だと思うのだ。だから外来生物を取り除けば「理想の自然」が再現される、という考えを疑っている。」(本文より)。
物事を単純化して考えることも危険性についても考えさせられる本。
「もちつきかつみ」さんによる生物イラストが多数掲載されていて、深刻な本ではあるが、どこかほっこりもさせてくれる。