徹夜
マチ弁を見ていると、たいていはライフワークにしている事件があることが多いように思う。
刑事事件、犯罪被害者、消費者被害、貧困問題、障がい者問題等々である。
報道で難民の問題や、外国人問題、貧困の問題などに注力している他の弁護士を見る度に、自分も頑張らねばと思う。
その問題をやりたいということで弁護士になった人もいるであろうが、小さなきっかけでその問題をライフワークにするようになる人も多いのではないかと勝手に思っている。
私自身は、国選で刑事事件も一生懸命にしていた時期があるが、被害者の事件を多数受任するようになり、元々検察官になろうと思って司法試験の勉強を始めたこともあり、被害者側の方が心情的にもやりがいがあると思い、今は被害者のいる刑事事件は受任しないことにしている。
年数が経つにつれて、取り扱わない類型の事件も出てくるものである。
最近思うのだが、各分野が相当程度に専門的になっており、全ての分野を担当することは、能力的にも時間的にもできないと思うようになっている。
そこは棲み分けで、難民の問題をする弁護士は犯罪被害者を多数受任はできないだろうから、私自身はそれでいいと思っている。
ただ、ライフワークとして取り組む事件があることは、マチ弁にとってはそうした事件に巡り会えたということで、マチ弁としての幸せではないかとも思う。
最近の司法修習生は企業法務を多く取り扱う事務所に入所が決まっている人が多いような気がしている(実際、新規登録の3分の2は東京・大阪・愛知である)。
企業法務がライフワークかといわれると、冒頭にあげた事件類型からすると、違う気がしている。
ライフワークはなくてもいいのだが、あるとマチ弁として、何かひと味違う弁護士になれるのではないかと思う今日この頃である。