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コラム

読書日記「武神の階」

2024年6月14日

コラムカテゴリ:法律関連

 角川書房。津本陽。

 少し前に春日山城跡に登ったので、寝る前に再読していた。
 上杉謙信を描いた津本陽の小説である。

 津本陽の小説は、武将が方言で話すので(本当にそう話していたかは別として)、臨場感がある。
 上杉謙信は長尾為景の次男で、長男の晴景が病弱であったため、兄の跡を継いで越後の国主となった。
 最初の名は長尾景虎である(その後、政虎、輝虎と改名し、最後に出家して不識案謙信と名乗る)。
 新潟は南北に長く、春日山はかなり南の方にあるところ、北部の侍衆が幾度となく離反し、国を治めるのに苦労した。
 関東管領の上杉憲政の養子となり上杉家の名跡を継いで関東管領に就任した。
 そのために関東に度々出兵したが、その隙に武田信玄が北条家との同盟により越後に侵攻したり、武田信玄の謀略で配下が離反したりなどで、北条家を追い詰めたが、関東を支配下に置くことはできなかった。
 武田信玄との川中島での大将同士の一騎打ちの伝説は有名である。
 後に武田信玄が今川家との同盟を破棄したため、北条家は謙信と同盟したが、北条家は北条家で関東管領を名乗っていたので、その際に謙信を正式な関東管領と認めたので、実際のところ、北条家は謙信の下風に立ったようである。ただ、この同盟は、双方の思惑がずれていたため、あまり功を奏さなかったとされている。
 49歳の時に、関東出兵を前にして倒れ(おそらく脳出血とか脳梗塞と思われる)、帰らぬ人となった。
 謙信が長命して信長の版図に攻め入っていれば、武田家も滅亡しなかったかもしれない。

 歴史好きであれば、津本陽作品はお勧めである。

この記事を書いたプロ

中隆志

被害者救済に取り組む法律のプロ

中隆志(中隆志法律事務所)

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