読書日記「百年の孤独」
大阪の人間は、「物がどこかに行きよった」とよくいう。物が自分でどこかに行く訳はないので、自分でどこかに忘れているのだが。
私も物がどこかに行くことがある。事件記録や証拠の類いは全く問題ないのだが、事務所が何々がないと騒いで、事務員総出で探してもらい、私の机にあるということがよくある。見ていたはずのところから出てくるのである。
外で落としたのかもしれないと、行った先の店であったり、乗ったタクシー会社に電話することもある。
実際に一度JRで万年筆を落としていて、忘れ物センターまで取りに行ったこともあるのだが、たいていは自分がどこかにやっているのである。
物が出てきたら、本当に申し訳なく思い、探してくれた店の人に謝罪の連絡をすることになる。出てきてよかったですね、と言ってくれるのだが、本当は迷惑であろう。
仕事だと大丈夫な(はず)のだが、私の失せ物に対する節穴アイはどうしようもないようである。