読書日記「百年の孤独」
新潮社。トルーマン・カポーティ。村上春樹訳。
筆者の最初の長編である。
発刊された当時、評価は二分したというようなことが解説で書かれていた。
表現や文章はもの凄く洗練されている一方で、物語としては分かりづらく感じるが、私の読解力のなさであろうか。
村上春樹は、「ジェットコースターに乗っておとぎ話の国を旅しているような感覚」に襲われると解説している。
場面場面の美しさ、比喩、情景の表現を読んでいるうちに(村上春樹の訳の訳の素晴らしさもあることは間違いない)、物語が終わってしまったような感じを受ける。
主人公は父親の下に行って幸せだったのだろうか?
元々の暮らしをしていた方が幸せだったのではないだろうか?
主人公はこの後どうなってしまうのだろうか?
何となく読んだ後、引っかかりが残る作品である。
それが作者の狙いだったのか、どうか。
読み手を選ぶ作品かも知れない。