読書日記「百年の孤独」
いわゆるマチベンをしていると、不動産の決済に立ち会う機会も多い。
破産管財人、相続財産清算人、相続物件の売却、破産前に不動産を売却する、任意整理の一貫として不動産を売却する、離婚事件で売却する等々である。
不動産の決済は、売買契約を取り交わして、決済金からどういうお金を支払って、当日の金種はどうで・・というものを事前に調整するため、当日までに行うべき作業は全て終わっている。
当日は現場に行き、登記関係書類が揃って買主側の金融機関からお金が出るのを待つだけであり、お金が出てきたら売主本人又は売主の代理人として、それを分配することになる。
一度は担保設定をしていた不動産について、債権者側で決済に立ち会うこととなったのだが、破産管財人が不動産売却を初めて行うということで、段取りから何をどうしてよいかもわからないと頭を下げてきたので、全ての段取りを私がしてあげたこともある。
金融機関によっては、お金が出てくるまでかなり待たされる。
一番長かったのは、記憶にある限りでは、2時間半というものがあった。
仲介業者の担当者が全くできない人で、現場で確認すると私が事前に整理して送っている金種を金融機関に伝えておらず、そのために時間がかかったのであった。
この待ち時間は、ただ待つだけであるので、世間話能力が必要である。
故中村利雄弁護士は世間話の天才で、共同受任している事件で依頼者と打合をすると、事件の打合よりも世間話の方が長いということもしばしばであった。ただ、その話題は昨日の夜に見た映画であったり、ニュースであったり、その週に読んだ週刊誌ということが多かったが。
ということで、不動産の決済時は、待つために世間話能力が必要で、私も世間話をしているが、時には買主側から法律相談をされることもある。
どうやって世間話能力を身につけるかは秘密である。