読書日記「百年の孤独」
河出書房新社。
池沢夏樹の個人編集による日本文学全集の一冊である。
存在さえ知らなかった作家の短編を読むことができて、新鮮であった。
中でも、「鳥たちの河口」(野呂邦暢)、「午後の最後の芝生」(村上春樹)、「桟橋」(稲葉真由美)、「雪の練習生」(多和田葉子)が秀逸である。
立花隆氏はある年齢以降、人生の無駄であり、実際に起こっていることの方が面白いという理由で文学を読まなくなったと書いていたが(それでも私より多数の作品を読んでいるのではないかとも思うが)、人生において、やはり文学を読まないのは勿体ないのではないかと再認識させられる一冊。
お勧めである。