読書日記「百年の孤独」
夏期研修で、ある高裁裁判官が、「裁判例は自分に都合のよいものだけを出すのではなく、有利不利を問わずその論点についてのものを出して、どのようなメルクマールで裁判所が当該論点について判断をしているか、そして本件事例でどうかということを準備書面で書いてもらうと裁判官は読む気になる。」というような趣旨のことを言われていて、事例判例で事実関係も異なるのに、「こういう裁判例がある」とだけ書かれても裁判所を説得できないというようなことを言われていたと記憶している。もう10数年前の研修なので、怪しいが、それを聞いて私は感銘を受けて、できるだけそうするようにしている。
昔は判例検索ソフトなどというものはなかったので、裁判例検索も手作業であった。
加除式の裁判例要旨が記載されている本で条文ごとに使える判決がないかを探して、そして判例タイムズや判例時報の該当号を探してきて、読み込んで・・・という作業が必要であった。
今は判例検索ソフトがあるのでかなり楽ではあるが、探した裁判例は当然読まないといけないし、読んでみて使えないというものも一定割合ある。
裁判例から裁判所の考え方やどういう点を見て事実認定や評価をしているかということを調べるのは苦にならないというか、好きである。
交通事故だと、自保ジャーナルという雑誌から出ている判例検索DVDでも探す。ただ、今の時代にDVDである上、収録される裁判例は増えていくため、検索するのに異常に時間がかかる。普通の電話回線でインターネットをしていた時代のような遅さである。
何とかネット上で検索するタイプに移行してくれないものかと思う今日この頃である。