読書日記「百年の孤独」
創元SF文庫。J・G・バラード。
世界の海の表面に膜が張り、世界中が旱魃に襲われる。
雨が降らない中、人は水を求めて海に向かう。
主人公の医師ランサムは人が消えていく町に残り、破滅していく世界で1人生きようとする・・・。
終末世界を描いた傑作であり、元となった「火の世界」と同じ作品と言われる向きもあるが、徹底的に改稿されていることから、翻訳者は、敢えて「旱魃世界」という表題としたということである。
世界が砂漠化していきつつあるという今の世界の末は、この作品のように、水を求めて人間が戦う世界となるのかもしれない。