読書日記「百年の孤独」
高裁に行って第1回の口頭弁論をする際、「記録を全て持っていくか」と悩むことがあるが、結局、「高裁で書証などについて確認されたら困るし、全て持っていこう」ということになる。
なぜ記録を持っていかないでよいのではと思うかというと、大半の事件では、控訴状と答弁書、控訴理由書とそれに対する反論が出されて、原審口頭弁論の結果を陳述して、判決言渡日が決められるというように期日が進み、一審の記録が必要となる場面がないからである。
キャリーケースで記録を持参して重たいメをしても、「使わなかったな」ということがほとんどだからである。
被控訴人の立場で持参したところ、控訴人の代理人が薄いカバン一つで来ているのを見たりすると、「やっぱり要らなかったかな」と思うこともある。ただ、裁判所から何か言われた時に、「記録持参してません」では格好がつかないので、「使わないだろうな」と思っても持参せざるを得ない。
一審がこちらの方が勝訴している事案でも、一審の裁判官には申し訳ないのだが、「結論はこれでいいけど、高裁でこの判決の枠組みとか主張整理について、何か言われるだろうな。」と思っている事案だったり、「一審の主張整理は足りていないけど、そもそも原告の請求の立て方がおかしいから、被告側のこちらから何か言うこともしづらいよな。原告の整理がおかしいまま判決が出ているから、これは何か言われるよな。」という事案は、記録を全て持参しておかないと、第1回の期日の直後に弁論準備手続が入って主張整理がされたりするので、一審の記録がないとどうにもならない。
こういう時に控訴人代理人が記録を持参していない時にアタフタしていると、「やっばり持参して良かった。」ということになる。
紙は重いが、やはり記録は持参せざるを得ないのである。