読書日記「百年の孤独」
尋問は一度きりのものであるし、何年やっても尋問というものは奥が深いと思う。
テレビなどだと、敵の証人であったり、相手方本人を弁護士が詰めていき、最後に「ウソをついていました」などと言う場面があるが、実際の裁判ではそんな場面はほとんどない(過去に一度、尋問の打合をしていたら、相手方本人が、「ウソをついていました」「全部中弁護士が準備書面で書いている事実経過です」となったとのことで、尋問期日前日に尋問の取消が相手方代理人からあり、請求自体を争わないということでその後和解になったことはあったが。裁判官はものすごく怒っていた。)。
尋問の前日には外食はせず、自宅でお酒を飲む量はセーブする。
前日の睡眠時間は特に確保するようにする(いつも6時間は寝ているが。)。
午後からの尋問だと、午前中に予定は入れず、最後のシミュレーションをする。
電話もつながないでもらう(腹の立つ電話などだと、尋問に差し障りが出ても困る)。
お昼ご飯を食べ過ぎない(尋問していて眠くなることはまずないが、念のため。)。
依頼者とは最低限2回は打合をする。
尋問事項は渡さない(記憶に基づいて事実を答えてもらうものなので、依頼者が答えを覚えようとすると、現場で頭が真っ白になることがありうるためである。)。
最低限、体調と精神面でマイナスの状態にならないようにする。
理想は尋問の前後にはあまり予定は入れず、疲労が残らないようにすることであるが、中々そうも言っていられない。
弁護士が緊張していると依頼者にもその緊張がつたわるので、裁判所で依頼者と待ち合わせをして裁判が始まる前はできるだけ弁護士側はリラックスするように心がける。
色々と準備するのだが、私の能力的なものもあるし、実際の尋問ではどこまでうまく引き出せているか、自問自答する日々である。