読書日記「百年の孤独」
故中村利雄と2人で酒を飲みに行き話をしているとき、弁護士の愉しみの一つは、悩んでいる事件や論点について本をたくさん積んで調べたり、裁判例を調べて「ああでもない」「こうでもない」と考えて、結論にたどりつくことであろうという話をよくしていた。
前にもどこかで書いたが、弁護士になった27年前は裁判例検索ソフトなどはなく、加除式の裁判例が条文ごとに記載されている本で調べていた。
条文ごとに裁判例をあたり、いいものがあれば判例タイムズや判例時報などでその原典にあたるというやり方をしていたのである。
このやり方をしていると、他にも気になる事件のことで他の条文をあたり、気がつくと数時間経過しているという時もあった。
私のボスもよく「あれ見てたら、あっちゅう間に時間経つなあ」と言っていた。
夕方事務所で1人になってから、机の上に本を積み上げて検討し、判例検索ソフトでいい判決例がないかを調べるのは、今でも愉しみの一つである。