読書日記「百年の孤独」
集英社新書。斎藤幸平。
大ベストセラーとなっている新書であるので読んだ。
人の経済活動により地球資源が費消されていき、温暖化が起こる。
これを止めるために、「持続可能な成長」というものが提唱されているが、資本主義を前提にする以上、資本主義の周辺を侵害するだけであり、SDGsは「大衆のアヘン」であるという。資本主義自体が、他国の犠牲の下に成り立っているのである。日本も、私自身もその犠牲の下に成り立っている。持続可能な成長などなく、気候ケインズ主義も限界があるという。
マルクスの資本論は、マルクスの晩年に修正されており、脱成長コミュニズムでなければ世界は終わるという。
21世紀の資本を書いたピケティすら、今は社会主義を唱えているのである(知らなかった。ただ、この本では社会主義により世界が救われるという説には与していない。)。
理想ではあるが、これを理想にしないために、どう取り組んでいくかが問われている一冊であると感じた。
資本主義の成長という大命題から、1人1人が離れていくことで、少しずつ理想に近づくかもしれない。