依頼者が、セカンドオピニオンを聞きにいった方がいい弁護士

中隆志

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 事件の途中で引き継ぐことがあるが、「もっと早い段階で引き継いでいれば、いろいろなやり方ができたのに」と思うこともある。

 類型的に、依頼している弁護士が以下のような弁護士であれば、一度、ほかの弁護士にセカンドオピニオンを聞きにいった方がいい。
 どれか一つでも当てはまれば、相談することをお勧めする。

1、委任契約書を作成していない。
 弁護士職務基本規程で委任契約書の作成は義務化されているので、この作成がないということ自体、きちんと仕事をされない蓋然性が高い。

2、事件の報告がない。
 依頼している事件の報告がないのは怪しい。依頼者への報告義務も、職務基本規程で定められた基本的な義務である。
 時には、提訴していないのに、既に提訴したという虚偽報告をしている可能性もないではない。

3、事件の進行について、相談がない。
 事件をどう進めていくかについて、弁護士サイドだけで決めて勝手に進めているのも、依頼者の求める結論や方向性からずれている可能性がある。これについても職務基本規程で定められている。後から、記録を見て、「依頼した内容からずれている」ということもないではない。

4、依頼している事件の写しの送付がない。
 相手から出た書面や、こちらが出した書面の控えを一切渡していない例も割合多い。依頼者が後に写しを持参されて、「私はこんな説明していない」ということもままある。

5、預り金の返金がない。
 これはかなり危ない。弁護士職務基本規程では、事件が終了したら遅滞なく預り金は返金せよとされている。
 ただ、事件が終了していると、手遅れということもある。そのためにも、5以外の事項に該当したら、速やかにセカンドオピニオンを聞きに行くべきである。

6、連絡がつかない。
 電話がつながらない、メールをしても返事がない。事務局にはつながるが本人から連絡がない。これもかなり危ない。単に多忙ということもありえなくはないが、事務局につながるのであれば、事務局に伝言するよう伝えれば済む。これも連絡がつかない時点でかなり危ない可能性がある。

 一度依頼した弁護士を断るのは、気がひけたとか、断りづらかったとか言われることも多いが、そのために被害が拡大することもあり得るのである。

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