在りし日の小次郎
弁護士は六法全書が頭に入っていると思っている人は割合多いが、そんなはずはない。
基本的な条文の中身は頭に入っているとはいえ、全ての法律の条文が頭に入っているはずがない。
そのため、いちいち六法を引くか、解説書を読むのである。
最近は国の方で多くの法律をネットで検索できるようにしてくれているので、そちらを利用することも多い。
ただ、手元の六法で調べることも多く、机と来客室には模範六法を毎年買い換えて置いてある。
年度が替わると新しいものを買うので、顧問先で欲しいところに古い六法は差し上げることにしている。
ただ、模範六法はある程度の分厚さもあるため、基本的な条文を引くだけで足りる時には、ポケット六法を使用している。
特殊な条文を引くことは、マチベンをしているとそれほどないからである。
相手方から、「六法全書しか頭に入ってないヤツは黙ってろ」と怒鳴られたことがあるが(もちろん怒鳴り返したが)、むしろ六法全書は頭に入っていないと心の中で言い返しながら突っ込んでいた。
そんなものである。