在りし日の小次郎
私は京都弁護士会の法律相談センター運営委員会と日弁連の公設事務所・法律相談センター委員会で、これまで2度、オンラインシンポジウムの裏方をやった(京都は出演なしで、まさに裏方。日弁連の際は裏方をやりつつ、最後は委員長として挨拶。)。
オンラインでも配信されます、として弁護士会関係で流されていたシンポジウムをいくつか見たのだが、前の方の列に座っている方々の後ろ頭が数列映った状態で、単に会場を定点カメラで写しているだけのものであった。
正直、話をしている人の顔も遠いし、見ていて参加している気にもなれないであろうと思ったのである。
まず、京都で実施したオンラインシンポジウムは、早々に「オンラインのみで実施する」と私がぶち上げて決定した。
新型コロナウイルスの影響を考えたのと、現場に人をいれつつ、オンラインでも配信するというのは、これまで経験がないことから、おそらくバタついてオンラインで見ている人に響かないと思ったので、思い切ってオンラインのみという意見を出して賛同を得た。
配信は私以外の裏方も頑張っていただいて、成功裏に終わったが、カメラワーク(話をしている人を大きく写して、切り替える。あるいは時々引きで撮影する。)や人の動きなど緻密に裏方が計算し、見ている人にはストレスはあまりないできばえとなったと自負している。
この経験を基に、日弁連の公設事務所・法律相談センター委員会のシンポジウムでは、会場には関係者のみ30名程度入ることができるが、カメラより後ろの位置に座ってもらい、カメラマンがプロであったこともあり、さらに円滑なオンラインシンポジウムとなったと考えている。
ただ、カメラワークや人の動き、PCとの切り替えなど、事前準備は大変であり、私の指示書はエクセルでA3一枚くらいに分単位で指示が書き込まれた。私は総監督をして指示を出しつつ、最後の挨拶も考えるということで、配信が終わった時はガッツポーズが出たのである。
中々実感してもらいにくいのだが、弁護士会の上層部が、オンラインシンポジウムを見て、「オンラインでなら簡単にシンポジウムができるんやなあ。」ということで簡単にシンポジウムをしたいなどと言われると、「裏方一回やってみろや」と考えて、かなりいらつくのである。
弁護士会関係で、オンラインシンポジウムがこれから増えるであろうが、安易に飛びつくと、怪我をします(失敗するという趣旨。)。
安易な考えでするのは、絶対にやめておきましょう。