在りし日の小次郎
何のことやらという感じの人もいると思うが、弁護士職務基本規程34条で定められているもので、「弁護士は、事件の依頼があったときは、速やかに、その諾否を依頼者に通知しなければならない」のである。
依頼者は事件の依頼をしてその弁護士が引き受けてくれなければ、次の弁護士を探す必要に迫られるので、速やかに受任するか、しないかを決めないといけないのである。
これで現在やっかいなのは、ネットから依頼をしてこられる人である。メールアドレスにメールでお断りする旨送ったところ、パソコンからのメールをはじく設定とされているためか、メールが届かず戻ってくることがある。携帯番号が書いている場合には携帯に連絡するが、出なかったり、携帯番号なども書いていない場合には、連絡のしようがないのである。
このような場合には、諾否通知が不可能と考えざるを得ないと考えている。
諾否通知をしないと、諾否してくれなかったことで、精神的苦痛を受けたとして訴えられることがある。現に私の知人弁護士は諾否通知をせず、訴えられて、私が代理人となったことがある。
文面から何人もの弁護士に依頼をしたいと通知していたことが明らかであったので、「真摯な依頼ではない」と主張して、請求が棄却された。
この事件は他にも論点があり、上告までされたのだが、上告は委任状を出さず、その弁護士に「上告棄却がきたら連絡してください」と言っていたら、いつまで経っても連絡がないので、「まさか上告審で審理がされるのでは・・・」と心配していた。
1年経ち、心配になり本人に問い合わせたところ、「あ、来てたわ。棄却されてる。上告されてから3ヶ月後に。」という回答があった。
これは、悪い依頼者の例でもある。
以上です。